研究課題/領域番号 |
60480194
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
近藤 東郎 慶応大, 医学部, 教授 (00129438)
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研究分担者 |
吉田 勝美 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (80158435)
岡崎 勲 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (00051649)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 血清type【III】procollagen peptide値 / 血清laminin値 / 尿中hydroxyproline基礎排泄量 |
研究概要 |
動脈硬化症の進展状況を健康診断情報の中で的確に把握し、生活様式の中の発症危険度についてさらに詳細に適切に予測する方法を確立したいと考えた。私共は、新しい動脈硬化指標として、結合組織代謝の血清マーカー、血清type【III】procollagen peptide(P【III】P)および血清laminin値を取り上げ、また尿中hydroxyproline(HYP)基礎排泄量について検討を行った。血清マーカーは早朝空腹時採血とした。尿中HYP基礎排泄量については、食事の影響をどう排除するか、公衆衛生活動に便なる採尿方法を確立した。これに基づいて、人間ドック受診者121名(男84名、女37名)および糖尿病性合併症がなく肝機能異常を認めない男子糖尿病患者28名の計149名を対象に検討した。動脈硬化の有無は眼底検査により、一部心電図所見でのST、Tの虚血性変化の有所見者とした。血清総コレステロール値および血清トリグリセリド値は、動脈硬化所見との一定の傾向を示さなかった。尿中HYP基礎排泄量は、30歳代よりは40歳代、40歳代よりは50歳代で高値で、以後漸減した。動脈硬化の有無とは相関しなかった。血清P【III】P値は、男子の高年齢層で僅かに高い傾向を示した。しかし動脈硬化所見との関連は認められなかった。血清laminin値は、男女とも高年齢層で高値の傾向を示した。動脈硬化所見との関連では、各年代とも、動脈硬化所見の認められた群で高値を示す傾向にあった。血清laminin値は、男子において、年齢、血清総コレステロール値、血清トリグリセリド値との間に有意な正の相関が見られた。血清lami-nin値が、1.2単位未満であれば、まず動脈硬化所見はなく、1.5単位以上であれば動脈硬化ありと考えられた。以上から、血清laminin値は動脈硬化指標として、さらに検討する価値があることが判明した。さらに、経過を追ってcorhort studyを行うことにより、血清lamanin値が動脈硬化指標として有用であるかを明らかにしたい。
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