研究課題/領域番号 |
60480211
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
糸島 逹也 岡山大, 医学部, 講師 (90033282)
糸島 達也 (1986) 岡山大学, 医学部, 講師
|
研究分担者 |
田中 良治 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
喜田 恵治 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
KITA Keiji Okayama University Medical School
TANAKA Ryoji Okayama University Medical School
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 光照射療法 / 肝癌 / ヘマトポルフィリン誘導体 / シアニン系色素 / アルゴンレーザー |
研究概要 |
光化学療法は肝癌に応用する障害となるのは、光化学作用を増強するヘマトポルフィリン体(H)が正常肝組織にも高濃度に集積し、アルゴンレーザー照射により肝癌組織のみでなく正常肝組職も傷害を受けることである。この健常組織破壊作用を弱める目的で、エネルギー吸収作用を有すると思われるシアニン系色素のうちインドシアニングリーン(ICG)を前投与したところ、ICGは健常肝組職に取り込まれたが、癌組織には取り込まれなかった。そこで光化学作用による正常肝組織の破壊をICGで防御する機序について試験管内と動物で検討した。 試験管内実験:レーザー照射をICG単独溶液に行なった場合に比較して、ICG・H混合溶液ではICGの脱色がより著明であった。ICG・Hの混合だけでは脱色はおこらず、従ってHとレーザー照射相互作用をICGが干渉したことを示した。H単独含有培養液とHとICGを共に含有する培養液中の培養肝細胞に対しレーザーを照射し比較した。Hの濃度を一定にしICG濃度を種々に変えたところ、ICGが一定以上の濃度の時に培養肝細胞の変性が抑制された。H単独、レーザー単独では細胞は変性しなかったので、ICGが光化学作用を抑制したことを示した。 正常ラット肝表面をレーザー単独では変化が起こらないような低出力で照射しても、Hを前投与しておくと、肝表面は発赤した。しかし肝をICGで染色しておくと、変化は著減した。肝癌ラットでも、非癌部をICG染色し、レーザー照射すると癌部は発赤したが、非癌部の変化は軽度であった。高出力照射でも、ICGで肝染色後、癌部を集中的に照射すると癌はよく破壊されたが、癌周囲の非癌部肝表面の変化は軽度であった。 以上から光化学療法の肝癌への応用の可能性が示された。
|