研究課題/領域番号 |
60480225
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 国立精神・神経センター (1986) 国立武蔵療養所 (1985) |
研究代表者 |
田平 武 国立精神, その他, その他 (80112332)
|
研究分担者 |
国下 龍英 国立精神, 神経センター神経研究所疾病研究第6部, 研究員 (40167383)
並河 正 国立精神, 神経センター神経研究所疾病研究第6部, 研究員 (30128061)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 実験的アレルギー性脳脊髄炎 / 自己免疫 / ミエリン塩基性蛋白 / プロテオリピッドアポ蛋白 / 脱髄 / 多発性硬化症 |
研究概要 |
1.実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)の抗原としては従来ミエリン塩基性蛋白(MBP)が良く知られていた。本研究は中枢神経ミエリンのもう1つの主要蛋白であるプロテオリピッドアポ蛋白(PLP)がEAEの抗原となること、それはT細胞によってひきおこされること、MBPによってひきおこされるEAEよりヒトの多発性硬化症に近いことを示した。特にPLPの一成分であるDM-20がマウスに広汎な脱髄を伴う慢性再発性EAEをひきおこすことの発見及びPLPに特異的に反応する脳炎誘起性T細胞ラインの樹立はオリジナリティーの高い研究成果である。」2.MBPに特異的に反応するT細胞ライン,クローンを樹立し、EAEの発症機序を細胞レベルで明らかにした。即ち脳炎誘起性T細胞は他のT細胞の関与なく単一クローンで十分病気をひきおこし得ること、そのT細胞はヘルパーT細胞の表面マーカーを有すること、Ia遺伝子産物に拘束されること、特異抗原やレクチンのみでなくアロ抗原によっても活性化されることを示した。これは自己免疫疾患の発症機序を考える上に重要な示唆を与えた。 3.ラットが急性EAEから回復すること及び回復後耐性を獲得する事実は良く知られている。その機序を解明することは治療法の開発に重要な示唆を与える。本研究は耐性獲得機序には抗原決定基特異的なものと非特異的なものがあること、エフェクターT細胞の分化が抑制されていることを明らかにした。また一旦活性化されたエフェクターT細胞は持続的抗原刺激があっても不活化されること、それは1つには細胞の分化増殖サイクルに関連したものであり、1つは病巣環境因子に起因すると考えられた。抗クロノタイプ抗体による特異的治療については現在研究が進行中である。
|