研究分担者 |
谷田部 道夫 秋田大学, 医学部, 講師 (70158012)
小林 康子 秋田大学, 医学部, 講師 (30133937)
田原 麻利絵 秋田大学, 医学部, 助手 (10188401)
川原田 良彦 秋田大学, 医学部, 助手 (10091802)
奥原 英二 秋田大学, 医学部, 教授 (60000915)
KAWARADA Y Dept. of Biochemistry, AUSM (KAWAZOE,Yosh)
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研究概要 |
チェディアリ・東病の変異遺伝子を検索する目的のためにモデル動物であるベージュマウスを用いて生化学的 研究した. 先ず初年度までに肝ライソソームを純粹に分離することにほゞ成功した. 次にそのライソソームの内容および膜について總蛋白および糖蛋白をSDS-PAGEにかけて, 変異種と正常対照とを比較した. その結果, 変異種のライソソーム膜について, はじめ分子量9万の糖蛋白の欠損が認められたが, その后の実験で再現性に問題があることがわかった. 現在なお方法に改良を加えて実験を継続している. 最終年度には上記のライソソーム膜蛋白の解析とは別に脂質の分析も行なった. すなわち先ず肝のコレステロール量, 燐脂質組成, 中性脂肪および燐脂質の脂肪酸組成をみたが, 変異種と正常対照との間に差を認めなかった. 次に脳のミエリン, シナプトソーム, ミトコンドリアおよびミクロソーム画分を分離し, TLCにより燐脂質組成をみたが, 変異種に特徴的な変化を見出すことはできなかった. 珪酸カラム・ガスクロマトグラフィーによる脂肪酸組成の分析では, ミエリン画分の燐脂質においてオレイン酸+リノール酸の量が変異種より正常対照の方が梢々多い傾向が認められた. 結論: (1)本症における物質レベルでの異常として, ライソソーム膜の糖蛋白の変異が示唆されたが, 確認には更に今后の研究が必要である. (2)脳のミエリン画分の燐脂質中のオレイン酸+リノール酸含有量の軽度の減少傾向が本症に認められた.
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