研究分担者 |
富田 豊 (冨田 豊) 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (00127523)
安藤 幸典 鳥取大学, 医学部, 助手 (90168047)
中野 千鶴子 鳥取大学, 医学部, 助手 (90164251)
家島 厚 鳥取大学, 医学部, 助手 (30144661)
水戸 敬 鳥取大学, 医学部, 助手 (00166068)
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研究概要 |
わが国における脳性まひの発生は出生1000に対しほぼ1の割合となった. これは30年前に比べて発生頻度が約1/3に減少していることになる. しかし, 現在も発生している脳性まひ児をみると以前とは異った内容を示すようになってきている. ますます低出生体重児から高率に発生をみるようになり, 合併障害も精神遅滞やてんかん発作など大脳皮質障害合併の増加をもたらしている. 本研究は, このような事態がどのような病態によってもたらされているのかを明らかにすることを目的とした. 彼らの臨床神経学的特徴では筋緊張の低下をもつ麻痺児が明らかに増加している事実がある. 超音波やCT所見などの画像診断による研究からは, この脳内病変が実質内の多発症脳軟化出血, 嚢胞形成などであることを示しており, 出生前から生じていたり, 生後数日の間に児の状態の悪化に伴って出現し完成されていく. このような変化は全身の循環不全に伴うヒポキシアが脳局所においても組織壊死の中心的原因のひとつとなっていた. 超音波ドップラー法による脳血管動態, 血流動態の測定結果は脳組織がこのような全身循環のうえにさらに特異な末梢循環不全にも依存していた. これらの背景には未熟脳のもつ血管構築上の特徴, 免疫上の特異な状態の関与の可能性を示唆させた. また, 新生児脳の生化学的特徴をつかむために, 脳細胞におけるミトコンドリアやペルオキシゾーム機能の関与に関する研究を行った. リジンからのイミノ化によって生じるピヘコリン酸が妊娠末期から妊娠において高値を示し, それが新生児にも経胎盤性に影響し比較的高い値を示していた.
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