研究課題/領域番号 |
60480260
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡崎 祐士 東大, 医学部, 助手 (40010318)
|
研究分担者 |
安西 信雄 東京大学, 医学部, 助手 (10111494)
伊藤 憲治 東京大学, 医学部, 助手 (80010106)
丹羽 真一 東京大学, 医学部, 助手 (30110703)
福田 正人 東京大学, 医学部, 医員 (20221533)
SAITOH Osamu Faculty of Medicine, University of Tokyo
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | 精神分裂病 / 前頭葉機能 / 認知文脈 / 方略,眼球運動 / 多義図形 / 視覚探索課題 |
研究概要 |
精神分裂病患者を対象に、視覚認知課題遂行時の眼球運動を指標として、方略や認知文脈の更新過程に反映される前頭葉機能を検討した。まず、本研究の第1段階として課題遂行時の方略が眼球運動記録に反映されやすいパラダイムの工夫を行い、さらに眼球運動データの記録ならびに解析を可能とするための実験システムを整備し、独自の解析プログラムを作成した。眼球運動検出装置にはアイマークレコーダ(NAC,modelV)を用い、実験の制御ならびにデータ解析にはマイクロコンピュータ(NEC,pc98olVM2)を使用した。その結果、複数の試行ならびに複数の被験者の眼球運動データを同一画面上に重ねて検討することが可能となり、視覚認知課題における方略の検討に眼球運動を指標として利用し得る範囲を拡大した。次に、本研究の第2段階として、DSM-【III】の診断基準を満たす精神分裂病の外来患者16名(平均年齢39.1歳)および正常者7名(平均年齢32.0歳)を対象として2種類の眼球運動記録実験を行った。実験1では、刺激としてJastrowの「カモとウサギ」、Boringの「娘と老婆」の2種類の多義図形を用いた。課題は2種類あって、課題1は多義図形の2通りの見方を各々維持し続ける課題で、課題2は2通りの見方をできるだけ正確にかつ多く反転する課題である。実験2では、Neisserの視覚探索課題を改変して用いた。実験1,2に先立ち、ベントン視覚記銘検査を施行した。これらの実験の結果、精神分裂病患者は、正常者と比較して、総じて課題遂行方略ならびに課題遂行成績が劣る傾向を示したが、正常者と同様の成績を示す患者群が認められた。したがって、精神分裂病患者の前頭葉機能や認知機能を考える際には、群として一括して論じることの危険性と臨床症状や社会適応レベルと関連させた詳細な検討の必要性が示唆された。
|