配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
蛋白質のリン酸化は膜や酵素蛋白の機能調節にとって不可欠の現象であることが立証されているが, 同様に活発に行なわれている膜, 細胞骨格蛋白のメチル化の意義については不明である. 本研究では先づ生体の機能調節に広く関与するカルモジュリンのメチル化酵素をはじめて明らかにし, 精製し, その特異性を明らかにした. 脳のシナプス膜もメチル化を受けることを明らかにして, このメチル化がトランスミッターやシナプスに作用する薬物で変化するか否かを検討した. 多くのトランスミッターや薬物は影響を与えないが, S-アデノシルホモシスティンやホモシスティンは強い抑制物質であることを示した. ホモシスティンは膜に結合したアデノシン結合型S-アデノシルホモシスティン水解酵素によってS-アデノシルホモシスティンとなり, 膜のカルボキシメチル化を抑える. 精神神経疾患患者における蛋白質メチル化をしらべるため, 赤血球中の蛋白カルボキシメチル化酵素2種の活性と, 膜の基質活性を多くの精神疾患や神経疾患の患者で測定した. 多くの疾患では差異はなかったが, 跪病や, 陽性症状を呈する急性期の精神分裂病の患者で膜の基質としての活性が高く, 症状の改善に伴って減少することを示した. また脳内でのメチル化の動態を知るためには, メチル化蛋白のみならず, その分解で生ずるメチルアミノ酸の動態を知る必要がある. そこで脳からイオン交換クロマトを重ねてメチルアミノ酸 6種を分離, 糖製し同定することができた. 現在, それらの定量法を確立したので, その変化, 体内分布をしらべつつある.
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