研究分担者 |
岩間 令道 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
野村 誠 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
河盛 隆造 大阪大学, 医学部, 助手 (00116021)
MITHINORI Iwama osaka University Hospital
NOMURA Makoto Osaka Univercity Hospital
鮴谷 佳和 大阪大学, 医学部第一内科, 助手 (20144462)
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研究概要 |
1)糖尿病患者のインスリン遺伝子のDNA分析: 健常人, NIDDM, IDDM患者の末梢血白血球よりDNAを分離し, インスリン遺伝子のDNA分析を行った. その結果, a)日本人におけるインスリン遺伝子5'上流側でのDNA挿入率は, 欧米白人に比して有意に低率であることが判明した. b)しかしながら, 家族歴のあるII型糖尿病患者群においては,その挿入率は健常人に比して有意に高率であることを見い出した. 以上の結果に関しては, 日本糖尿病学会総会にて発表すると同時に, Diabetologiaに採択掲載された. (Diabetologia, 1986, 29, 402-404) 2)家系におけるインスリン遺伝子のDNA分析: 濃厚な糖尿病発症家系について, インスリン遺伝子分析を複数の制限酵素, 複数のインスリン遺伝子部位に対するC-DNAプローブを用いて行い, 同時にインスリン分泌特性との相関を検討した. その結果, DNA挿入を有する症例において高率に糖尿病発病症ないしは, インスリン分泌能の低下を認めた. 3)インスリンレセプター遺伝子発現の分子遺伝子的解析方法の検討: 糖尿病は, インスリンレセプターにおける異常, すなわちインスリン抵抗性によっても出現する. したがって, 糖尿病の遺伝子診断にあたっては, インスリン遺伝子のみならず, レセプター遺伝子自体の発現機能を診断する必要がある. そこで, Northan Blot Hybridization法の基礎的検討を行い, その結果Diabetologiaに採択掲載された, (Diabetologia, 1987, 30, 899-901) 以上, インスリン遺伝子あるいは, レセプター遺伝子の解析を行うことにより, 糖尿病の遺伝子診断が可能であることが示唆され, 今後さらに検討をすすめる予定である.
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