研究課題/領域番号 |
60480271
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森脇 要 (1986) 阪大, 医学部, 助教授 (90028548)
伊藤 芳晴 (1985) 大阪大学, 医学部, 助手
|
研究分担者 |
金山 良男 大阪大学, 医学部, 助手 (30158852)
眞下 一彦 大阪大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90135682)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | グルココルチコイド受容体 / グルココルチコイド抵抗症 / 線維芽細胞 / 高コーチゾール血症 |
研究概要 |
高コーチゾール血症が持続するにもかかわらずクッシング症候群の臨床徴候をまったく呈しない1家系内の2症例を見出した。これまで世界で1家系しか報告のない家族性コーチゾール抵抗症を疑い、その診断確定と病態を把握するため、2年間にわたる本研究で、つぎの諸点をあきらかにした。 1.臨床内分泌学的検査で、本家系2症例(母と子)では、コーチゾールの過剰分泌がみとめられた。患者の下垂体-副腎機能の抑制には、正常人に比し多量のデキサメサゾンを要し、グルココルチコイドにたいする抵抗性の存在を証明した。 2.末稍血單核球のグルココルチコイド受容体数は、正常人の50%に減少していた。受容体のホルモン結合定数は正常であった。 3.培養皮ふ線維芽細胞のグルココルチコイド受容体数も、單核球と同様正常の半分に減少していた。 4.この培養皮ふ線維芽細胞の成長の抑制には、正常細胞に比し、高濃度のデキサメサゾンが必要であった。このことから、本患者のグルココルチコイドにたいする抵抗性をin vitroの実験系で証明できた。 以上の研究成果から、本家系では遺伝により規定されたグルココルチコイド受容体の発現の異常があること、そして、このような異常による家族性コーチゾール抵抗症の存在することを、世界にさきがけて明らかにすることができた。 今後、この異常について、遺伝子レベルで検索するため、グルココルチコイド受容体をコードするDNAの塩基配列の異常の有無を検討する計画をすすめている。
|