研究課題/領域番号 |
60480277
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
前川 正 群大, 医学部, 教授 (80008218)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 白血病 / 増殖サイクル / エルトリエーション法 / 細胞分画 / 薬剤感受性 / メソトレキセート・ポリグルタメート / 巨赤芽球性貧血 |
研究概要 |
本研究では新しい細胞分画法である遠心エルトリエーション法を白血病その他の血液細胞の分画に応用し、得られた細胞亜集集団についてその代謝特性を解析し、細胞集団の不均質性に関する知見を深めると同時にその臨床的な意義を求明することを目的としている。第1年度には本分画法の分画特性について基礎的検討を加えると同時に、得られた成績を我々が従来から採用してきた静置沈澱分画法でのそれと対比した。第2年度にはそれらの基礎的知見にもとずき白血病細胞や巨赤芽球性貧血骨髄細胞について細胞代謝と薬剤感受性、抗腫瘍剤の細胞内代謝の一端を検討した。得られた成績を要約すると、 1.本分画法は血液細胞についてみる限り細胞サイズに応じており、再現性に優れ、細胞の傷害度も少なく、比較的短時間で反復操作が可能であり、1回の運転で1×【10^8】細胞の処理が可能である。細胞の回収率が静置沈澱法に比し劣るが改善の余地がある。白血病細胞集団についてみると細胞サイズと増殖状態とはよく対応し、分画後フラクションの集合により1〜4群とすれば非増殖細胞と増殖細胞として検討することが可能と考えられた。正常ないし赤芽球過形成骨髄細胞を用いると、リンパ球優位、顆粒球優位、赤芽球の幼若細胞優位の集団が得られた。 2.急性白血病細胞の薬剤感受性をシトシンアラビノシド、メソトレキセートを用いて検討するとDNA合成前駆物質のとりこみは広い薬剤濃度範囲で大型の増殖細胞集団で一貫した有意の強い抑制が観察された。 3.白血病細胞および巨赤芽球性貧血骨髄細胞についてMTXのポリグルタメート生成能を検討した。リンパ性白血病でポリグルタメート生成は高く、大型細胞で細胞内のとりこみ量が高いが、ポリグルタミル化MTXの生成率は亜群間に差がみられなかった。巨赤芽球性貧血でも同様に大型細胞の転換活性は小型細胞と同程であった。
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