研究課題/領域番号 |
60480279
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三輪 史朗 東大, 医科学研究所, 教授 (40034954)
|
研究分担者 |
森崎 隆幸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30174410)
藤井 寿一 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70107762)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | 遺伝性血性貧血 / 赤血球酵素異常症 / ピルビン酸キナーゼ異常症 / ヒトL型PKcDNAクローン / L型PK遺伝子座 |
研究概要 |
赤血球酵素異常症の新症例の発掘に関しては引続いて原因不明の遺伝性溶血性貧血例の検索を行ない、7例のグルコース-6-リン酸脱水素酵素異常症および3例のピルビン酸キナーゼ異常症を発見した。さらにピルビン酸キナーゼ(PK)異常に伴なう遺伝性溶血性貧血の病態解明および、PKアイソザイム(L型,【M_1】型および【M_2】型)の変換機構の遺伝子レベルでの解明の第一歩としてPKcDNA(特にL型)のクローン化および塩基配列の決定を行ない、このクローンを用いてヒトL型PK遺伝子座の決定を行なった。ヒトL型PKcDNAのクローン化は、正常日本人肝臓入gt・10ライブラリーを作成し、大阪大学・田中武彦教授より供与されたラットL型PKcDNAをプローブとして、プラークハイブリダイゼーション法にてスクリーニングを行なった。約60万個のファージより1個の陽性クローンを得、塩基配列の決定をサンガー法にて行なった。塩基配列決定の結果、このクローンは全長1049塩基よりなりラットL型PKcDNAのC末端より105アミノ酸をコードする塩基と88%のホモロジーを有し、アミノ酸に翻訳すると96.2%のホモロジーを有していることが明らかになった。また残りの734塩基はラットcDNAの3´非翻訳領域と63%のホモロジーを有していた。しかし、ラットM型cDNAとの塩基レベルでのホモロジーは67.6%、アミノ酸レベルでは57.7%のホモロジーと低く、このクローンはヒトL型PKcDNAと結論づけた。このcDNAをプローブとして、北海道大学・吉田迪弘博士より供与をうけたヒト・マウスハイブリッド細胞DNAをBainHIにて消化後ハイブリさせたところ、ヒト染色体第一番をもつ、ハイブリッド細胞DNAとのみハイブリし、L型PK遺伝子は染色体第一番上にあることが判明した。今後このクローンを用い、M型cDNAのクローン化および、PK異常症の病態解明が遺伝子レベルで可能となると考えられる。
|