研究課題/領域番号 |
60480281
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大野 龍三 名大, 医学部, 講師 (70093002)
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研究分担者 |
斎藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
森島 泰雄 名古屋大学, 医学部, 医員
奥村 雅男 名古屋大学, 医学部, 医員
小椋 美知則 名古屋大学, 医学部, 医員
OKUMURA Masao Nagoya University School of Medicine
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 骨髄巨核芽球細胞株 / 骨髄巨核球 / MEG-01 / 細胞培養株 / 凝固因子 / プロテインS / β-thromboglobulin / 単クローン抗体 |
研究概要 |
我々は急性期慢性骨髄性白血病患者骨髄より、骨髄巨核芽球細胞株(MEG-01)を世界で始めて樹立することに成功し、この細胞株を用いて、巨核球の分化ならびにその血小板生成機構を解明すると共に、各種の血小板由来凝固因子の産生機序を解析し、さらには、細胞融合法により、本細胞株に対する単クローン抗体を作製し、骨髄巨核芽球ならびに血小板に対する特異抗体作整を目的とし研究をおこない以下の成果を得た。 (1)MEG-01はphorbol diesterであるTPAにて形態的にも細胞表面形質の面からも分化誘導される。さらに、トロンボポエチンを含む家兎血漿分画でも分化成熟することより、ヒト・トロンボポエチンのアッセイ系として利用可能と思われた。 (2)MEG-01細胞は凝固【VIII】因子,【V】因子,【XII】因子,【XIII】因子を有している。MEG-01にはビタミンK依存性凝固因子の一つであるプロテインが局在しており、本細胞培養上清中にヒト血漿中のプロテインSと同分子(MW84,000)のプロテインSが分泌され、機能的にも同一であり、また、その産生・分泌はビタミンKで増加し、ワーファリンで減少した。すなわち、肝細胞と一部血管内皮のみで産生されるとされているビタミンK依存性凝固因子が巨核球でも産生されることを明らかにした。 (3)血小板特異蛋白であるβ-thromboglobulin(βTG)はその機能ならびに産生細胞については不明な点が多いが、本研究ではMEG-01が無血清培養において、分子量89,000のβTGを産生・分泌することを明らかにした。このことはβTGの機能の解明のためにも、また、βTGを巨核球の分化成熟の指標として利用可能であることを示した。 (4)MEG-01を免疫原としてマウスモノクローナル抗体(MG-2)を作成した。本抗体はIgMに属し、MEG-01と特異的に反応すると共に、幼若巨核球とも反応する。従って、巨核芽球性白血病の鑑別診断に有用性をもつものと考えられた。
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