研究課題/領域番号 |
60480293
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 紀章 岡山大, 医学部, 講師 (10127566)
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研究分担者 |
上川 康明 岡山大学, 医学部付属病院, 助手 (00152851)
三村 久 岡山大学, 医学部, 助教授 (80116508)
折田 薫三 岡山大学, 医学部, 教授 (20033053)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 部分肝切除 / 再生肝細胞 / lymphokine activated killer / 肝非実質細胞 / IL-2産生能 / 摘脾 |
研究概要 |
部分肝切除(HEP)により5〜10日後マウス脾細胞のNK活性、LAK活性誘導能の増強がみられ、さらにHEP後の脾細胞より誘導されたLAK細胞(HEP-LAK)は腫瘍細胞だけではなく再生肝細胞を破壊することが認められた。このことは肝再生過程で刺激された免疫系が再生肝細胞に対し障害性を有するリンパ球を誘導し、肝再生を制御する可能性を示唆している。そこでこのような再生肝細胞に障害性を有するリンパ球がHEPを契機にin vivoで誘導される可能性について検討した。HEP後7日目のマウス脾細胞、肝非実質細胞は微弱ながら再生肝細胞に障害性を示したが、HEP後5日目よりIL-2を5日間投与したところ肝脾における活性は著しく増強され、in vitroで誘導されるHEP-LAKの活性の水準に達した。ラットを用いて肝非実質細胞をさらに比重勾配遠心分離し、実質細胞の混入を排除して同様の検討を加えた。HEP後7日目の肝非実質細胞はIL-2を投与しなくても高い再生肝細胞障害性を示した。あらかじめ摘脾を行っておくと活性は著しく減衰したことから、HEP後の再生肝内では脾臓の影響のもとに再生肝細胞に対する細胞障害活性が誘導されるものと考えられた。 次にHEP-LAK細胞の肝細胞の増殖に与える影響を検討した。まず上皮系細胞のより単純なモデルとして我々はコレラ毒素刺激による表皮増殖に及ぼすLAK細胞皮内投与の影響を検討した。この結果LAK,HEP-LAK細胞は有意に上皮の増殖を抑制した。そこで再生肝での肝細胞増殖に与える影響の検討を行った。HEP後36時間にHEP-LAK細胞を経静脈移入すると肝細胞への【^3H】-thymidineの取込みが抑制されること、in vitroではHEP後24時間の初代培養肝細胞の増殖を抑制することが明らかとなった。 以上の研究を通じてリンパ球は正常細胞の増殖を制御して自己組織的に働く可能性が示唆された。
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