研究課題/領域番号 |
60480332
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
宮上 光祐 日大, 医学部, 講師 (60059508)
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研究分担者 |
坪川 孝志 日本大学, 医学部, 教授 (80058958)
林 成之 日本大学, 医学部, 講師 (10059503)
田副 誠 日本大学, 医学部, 助手
賀川 幸英 日本大学, 医学部, 助手 (60150728)
TAZOE Makoto Department of Neurological Surgery, School of Medicine, school of Medicine, Niho
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 脳血液関門 / 悪性脳腫瘍 / 化学療法 / マンニットール / 血管透過性 / CT,ACNU / シスプラチン |
研究概要 |
1,(1)正常ラットを用いた高張滲透圧剤による血脳関門開放の病態について各種滲透圧溶液、注入条件により検討した結果、高張溶液の浸透圧濃度に比例してtracerの血管外漏出を認めた。(2)血脳関門破綻の局在は、毛細血管のみならず、arteriole,venuleにも認め、HRPを用いた電顕微細局在は、血管内皮細胞間隙のみならず内皮細胞内Vesicleにも認め、血管外漏出の局在としてこの両者が考慮された。(3)【Na^+】-【K^+】-ATPase活性は、高張溶液動注30分後でとくに低下を認めなかった。 2,(1)ヒト悪性脳腫瘍を対象とし20%マンニットールとともにACNUを動注し、経時的に血中、腫瘍組織内濃度を測定した。malignant astrocytomaの辺縁部腫瘍実質組織では、血中濃度に対し4〜8倍の高濃度を示した。しかし腫瘍中心部の壊死性組織、腫瘍内のう胞液では血中とほぼ同程度か、低値であった。(2)ACNUの腫瘍組織内移行濃度とmannitol CECTにおける腫瘍の増強効果とは相関し、腫瘍部のmannitol enhanced CT値/plain CT値の比が2以上の著明な増強効果を示した例に高濃度のACNU腫瘍内濃度を示した。(3)実験脳腫瘍による水溶性薬剤シスプラチン(CDDP)の腫瘍組織内移行については、25%,20%マンニットールのいずれの併用動注でも高濃度の腫瘍内移行がみられたが、25%マンニットールでは周辺正常脳へも著明に移行するため、neurotoxityの面から20%マンニットールが臨床例の治療に適切である。 3.(1)手術、放射線療法とともに20%マンニットール、ACNU併用動注による悪性oliomaの治療では、ACNU単独動注に比較して有意に生存期間の延長を認めた。手術後腫瘍残存を認めた10例中5例で、CT上50%以上の縮少を認め、この中2例は完全消失した。(2)20%マンニットール、ACNU内頚動注では、一過性神経脱落症状を7%に認め、すべて2-3日で改善し比較的安全と考えられる。
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