研究分担者 |
正木 国弘 徳島大学, 医学部(整形外科学), 助手 (90181627)
井上 由文 徳島大学, 医学部(整形外科学), 助手 (30168471)
篠原 一仁 徳島大学医学部附属病院, 整形外科学, 講師 (10162611)
八木 省次 徳島大学医学部附属病院, 整形外科学, 講師 (30145031)
岡 源郎 徳島大学, 医学部(薬理学), 教授 (60028298)
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研究概要 |
1.急性脊髄障害実験;wistar系ラットを用い、対照群とvitE投与群(以下投与群)に分類し、以下の実験をおこなった。(1)脊髄圧迫障害実験,a)圧迫後の血流量は、両群とも一過性に増大し以後徐々に回復したが、投与群の方がより早期に回復傾向を示した。b)圧迫後の脊髄誘発電位(以下ESP)の変化でも、第1電位,第2電位の振幅,潜時とも投与群の方がより早期に回復傾向を示した。c)組織学的変化をみると両群とも脊髄実質の出血,浮腫,および組織破壊等が認められたが、対照群に比し投与群の方が病変の程度が軽度であった。d)圧迫後の脊髄中過酸化脂質(以下TBA-RS)値は対照群は、高度に増加し、回復迄に長時間を要するのに対し、投与群は増加の程度も軽度で、早期に回復傾向を示した。(2),虚血による脊髄障害実験,a)30分間の脊髄虚血後のTBA-RS値の変動は,対象群は再開放後30分をピークとした山を形成し、60分で正常値となるが、投与群はピークが早くなりその値も低く、30分で正常値に回復している。b)脊髄虚血後のESPの経時的変化は、対照群では虚血後2〜4分に一過性振幅増大を認め、以後急速に振幅を減じ、平均8.5分後に電位の消失を認めた。投与群でも同様に一過性振幅増大を認めたがその程度は低く、電位消失までに平均10.6分を要し、また再開放後も、投与群はより早期に回復傾向を示している。 2.慢性脊髄障害実験;1),雑種成犬を用い脊髄空洞症を作成し、CTMを行い、メトリザマイドの空洞への移行がクモ膜下腔より脊髄を通して透過する事を明らかにし、髄液脊髄関門の破綻の存在することが示唆された。2),wistar系ラットを用い、脊髄クモ膜下腔にHoresein,Evans blueを注入し、脊髄実質内に色素の移行があることを実体顕微鏡で観察した。さらに、HRP,Ionic Lanthanumを用い、実際にmembranous sri aを越えて実質内に侵入していることを電顕で確認した。
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