配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1985年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
呼吸不全患者を対照として, セロトニンの肺での取り込み率と, アンギオテンシン変換酵素(ACE)を測定することにより, 肺における代謝機能を検討した. 肺におけるセロトニンの取り込み率は, 対照群45.3±22.3%に対し呼吸不全患者群では-2.6±61.8%とばらつきが大きく, 有意差は認められなかった. またACEは対照群30.8±6.0u/mlに対して, 20.1±10.7u/mlと低値を示し, 有意差が認められた(P<0.05). 多臓器不全時の呼吸不全状態において, ACEは肺血管内皮細胞の障害の程度と密接な関係があり, 有用な指標となると考えられる. 2臓器不全以上の患者においては, 補体系は死亡群ではある程度消費されていたことは示唆されたが, 明確なものではなく, また生存群と有意差は認められなかった. 細胞性免疫系では生存・死亡群ともT細胞の機能は極端に抑制されていた. しかし生存群ではOKT4+, OKT8+細胞の割合はほぼ正常範囲内に維持されていた. 一方死亡群では両者とも現象しており, 特にOKT4+細胞の減少が著しかった. OKT4+/8+比はOKT8+細胞の減少があるため見かけ上正常範囲内の推移を示した. 両群ともB細胞の低下はみられず両群間に細胞数では有意差はなかった. 以上のことより, 多臓器不全患者の続発性免疫不全の主なる原因がT細胞の障害と推移されるので特にOKT4+, OKT8+細胞の動向を知ることにより多臓器不全状態のScreeningを行うことが可能であると考える. 多臓器不全患者でき脳代謝は聴性脳幹反応(ABR)にて検索を行ったが明確な所見は得られなかった.
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