研究分担者 |
新井 恵子 広島大学, 医学部, 助手 (30167978)
菊地 博達 東邦大学, 医学部, 助教授 (40034029)
福田 康彦 広島大学, 医学部, 講師 (40093801)
藤井 宏融 広島大学, 医学部, 講師 (60034021)
盛生 倫夫 広島大学, 医学部, 教授 (80033950)
河内 正治 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (60152972)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
1)臨床症状, 検査などによる統計的解析 現在までに報告されている219例の悪性高熱症(MH)症例を, 県別, 性別, 年令階層別分布, 麻酔法, 症状並びに徴候の出現頻度などについて解析を行った. その結果, 死亡例や後遺症併発例では, 最高体温と低血圧の有無において, 統計学的に有意差があった. 又, ダントロレンによる治療を受けた症例は生存例に有意に多く認められた. 2)本症の啓蒙 統計的解析の結果から, 本症の予後には早期発見, 早期治療が極めて重要であると握察されるため, 麻酔科医のみにとどまらず, 外科医や看護婦にも本症の存在, 病態について学会, 学術雑誌に発表並びに報告した. 又, 本症は家族性遺伝性症候群と考えられているため, 本症の患者及び血縁者が不慮の事故に際し, 本症発症の可能性があるので, 救急情報システムへの登録を学会などで推奨した. 3)HLAタイピングの検索 本症が遺伝性疾患と考えられているためHLAを検索したところ, DR領域で比較的高頻度の抗原が出現していたが, 症例数が未だ少ないため, 統計的解析にまでは至らなかった. 4)ヒト赤血球膜流動性の研究 本症患者の赤血球膜にスピンラベルを行いESRを用いた検査により, 本症の発症時には何等かの生体膜異常が生じていることが明らかとなった. 5)スキンドファイバー法による研究 本症の発症機構として骨格筋細胞内カルシウムイオン動態異常が示唆されているが, 吸入麻酔薬, 局所麻酔薬が筋小胞体からのCa-induced Ca release(CICR)に与える影響についてスキンドファイバー法による詳細な検討した結果, 臨床濃度の吸入麻酔薬がCICRを著明に促進させ, MH発症に重大な関わりがあることが明らかになった.
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