配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1987年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
我々は現在までに, 睾丸腫瘍の尿中hCGは, 正常妊婦尿中hCGに比して等電点, レクチン結合性において異なりそれは睾丸腫瘍における糖鎖生合成不全を示す結果を得ている. 更に, それらの変化をhCGのサブユニットレベルで詳細に解析するため, 以下の実験を行った. 睾丸腫瘍患者尿hCGおよび正常妊婦hCGをポリアクリルアミドゲルにて電気泳動後, ニトロセルロース膜に移動後, hCGおよびそのα,βサブユニットに対する抗体と反応させた. 睾丸腫瘍hCGは正常妊婦hCGと同様α,βサブユニットから構成されることが判明した. また睾丸腫瘍hCGβサブユニットは正常hCGよりも分子量が大きかった. またDTT還元条件下で睾丸腫瘍hCGで低分子量βサブユニットを認めた. 更にこの低分子量フラグメントは抗体に対する反応性よりhCGβサブユニットのC未端部分であることが判明した. 以上の結果は睾丸腫瘍患者尿中hCGのβサブユニットのアミノ酸部分に構造上脆弱部位が存在することを示している. アミノ酸構造の変化は腫瘍における遺伝子構造変化を直接反映している可能性がある, 極めて重要な知見と考えられる.
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