研究課題/領域番号 |
60480361
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
平尾 佳彦 奈良県医大, 医学部, 助教授 (00133207)
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研究分担者 |
岡島 英五郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50075115)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 形状記憶合金 / 陰茎プロスセーシス / 人工尿道括約筋 / 体外電気制御 |
研究概要 |
形状記憶合金と呼ばれるTi-Ni合金は温度サイクルに対して可逆的に形状を変化する性質をもち、既に多くの分野に応用されている。泌尿器科領域におけるこの形状記憶合金の応用として、本研究では体外より電気制御可能な陰茎プロスセーシスと埋没式の人工尿道括約筋装置の開発を検討した。体外電気制御に関しては、高周波トランス結合を利用した皮下野没コイル電極と体外励起コイル電極を用いた経皮的電気エネルギーの誘導に関する基礎的検討を行い、直径4cm大の体外励起コイル電極と皮下埋没コイル電極を作製し、100V交流電源では、厚さ3mmのゴム板を介して1層の皮下埋没コイル電極では1.4Wの、2層のコイル電極では2.5Wの電気エネルギーの誘導が得られた。形状記憶合金の材質は35-45℃の温度域で迅速かつ大きな変態特性をもつ形状記憶合金が望まれるが、独自の開発には、多額の費用を要し、今回の研究には、既存の52℃の変態温度特性を有する幅6mm、厚さ0.5mmの板ばね状の形状記憶合金を用いた。温度制御には、形状記憶合金にニクロム線ヒーターをまいてシリコンで被覆し、経皮的電気制御に関する実験を行った。陰茎プロスセーシスには一方向の、人工尿道括約筋には全方位形状記憶合金を用いた結果、体外電気制御により形状記憶合金は可逆的に形状を変化させうることを観察した。陰茎プロスセーシスプロトタイプ【II】および人工尿道括約筋プロトタイプ【II】を2層の皮下埋没コイル電極と接続し、100Vの交流電源を用いた電気制御装置と体外励気コイル電極を用いて、厚さ3mmのゴム板を介して非接触の電気エネルギーの誘導を検討した結果、いずれも温度サイクルにたいして可逆的に形状変化したが、作動状態になるまでに若干時間を要し、接続電気コードやニクロム線電気ヒーターの加熱がみられた。さらに改善すべき課題は多々あるが、体外電気制御を利用した形状記憶合金は、医学分野で広く応用できる可能性があると考える。
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