研究分担者 |
元山 鎮雄 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (30174353)
飯田 俊彦 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (90159559)
中村 淳 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (10172404)
小林 淳一 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (00170324)
牧野 恒久 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 講師 (30085758)
高橋 守 慶大, 医・産婦, 助手
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1985年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
不育症を受精時よりはじまる生殖過程のreproductive ivastageとして抱えヒト不妊症の中に不育症, いわゆる習慣流産を含め, 体系づけた原因検索, 治療法の開発を行った. 慶応義塾大学病院産婦人科外来では反復する自然流産患者の登録総数は昭和63年3月現在, 650名を越え, 平均流産回数3.01±1.03回, 平均年齢夫39.5±0.3歳, 妻32.8±0.3歳であった. 反復する自然流産に対し体系づけた原因検索を施行し見出された主な異常は子宮器質異常, 染色体異常, 内分泌異常, 糖代謝異常, リウマチ, HLA適合例等であった. 子宮器質異常のうち, 弓状子宮, 双角子宮等先天性子宮奇形の認められる頻度は卵管造影を施行した405条のうち18%であった. 染色体検査を終了した380組について2例の性染色体異常, 19例の常染色体異常, 計21例, 5.53%に染色体異常を認めた. 主要組織適合抗原(HLA)適合症例が不育症夫婦間にかなり含まれた. 原因不明の習慣流産群においては対照群に比し有意にDQ抗原の共有年が高かった. 受精, 着床期のReproductive ivastageに関し, 抗透明萃抗体, 胎盤蛋白に等の検討を行ったが測定感度等予後の検討にまつ点が多かった. 不育症の治療について, 先天性子宮奇形の34例に子宮形成術を施行し80%以上の生児獲得率を得た. 染色体異常の認められた21組について総妊娠数81に対し計11名の生児を得, 生児獲得率は13.4%であった. 適応となる症例に免疫療法を施行した. 免疫療法後の流産率は26.8%であり, 対照群の64.1%に比し本療法の有効性が裏づけられた. 免疫療法後出生児について分娩様式, 在胎過数, 身体計測値, follon up所見で特記すべき異常に認めなかった. 不育症の原因検索, 治療法の開発に多くの成果をみた. 原因不明の習慣流産の成因, 生殖生理学と免疫学のかかわり等につき, 引き続き多方面よりアプローチを続けることでreproductive ivastageの真の〓〓とその治療法の〓〓に大きく寄与する可能性が示された.
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