研究課題/領域番号 |
60480401
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石田 甫 徳島大, 歯学部, 教授 (70028364)
|
研究分担者 |
宇野 義治 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (60183208)
幸田 直彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60144995)
近藤 通宏 徳島大学, 歯学部, 助手 (20186860)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助手 (40144985)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | 老化 / 唾液腺 / 薬物受容体 / アミラーゼ分泌 / イオン分泌 / 非ヒストン蛋白質 / プロテインキナーゼ / 細胞分裂 |
研究概要 |
本研究は細胞の老化の実態の解明を目的に加齢に伴う唾液腺薬物受容体、これに連関したアミラーゼ、イオン分泌さらに細胞分裂活性と密接な連関性を有する核燐蛋白質の動態を中心に追求したものであり、下記の成果を得た。 1.薬物受容体とアミラーゼ、イオン分泌能の動態:種々の標識化合物を用いた結合実験によって、耳下腺細胞に存在するα-,β-アドレナリン,ドーパミン及びムスカリン様アセチルコリン受容体はいずれも生後4週齢まで増量し、以後はこのレベルが維持されていた。これらの受容体のうちβ-アドレナリン受容体の作働薬に対する親和性にのみ加齢変化が認められた。即ち、この親和性は生後8週齢まで著しく増強され、以後はこのレベルが維持されていた。この変化はアミラーゼ分泌におけるβ-作働薬の50%有効量の著明な減少によって裏付けられた。α-アドレナリン受容体を介する【K^+】,【Ca^(2+)】分泌のうち、【K^+】分泌には加齢変化は全く見られなかった。しかし、【Ca^(2+)】分泌は加齢に伴って減少することが認められた。この【Ca^(2+)】の分泌能の低下はイノシトール・3・トリホスフェイトに対する耳下腺細胞の反応性の低下によるものであった。 2.核燐蛋白質の動態:唾液腺単離核の主要構成成分のうち、とくに非ヒストン蛋白質のDNAに対する量比に変化が認められた。即ち、この量比は生後4週齢まで増加して最大となり、以後8週齢まではこのレベルが維持されていた。その後16週齢まで著明に減少して、12月齢まで変動は見られなかった。この非ヒストン蛋白質の燐酸化は生後4週齢まで著明に促進されて最大となり、16週齢まで減少して以後はほぼこのレベルが維持されていた。この変化はクロマチンに結合しているプロテイン・キナーゼ活性の変動と良い対応を示していた。以上の成果から、薬物受容体の作働薬に対する親和性及び上記プロテインキナーゼ活性の調節因子の追究が細胞の老性動態の解明に不可欠と考えられ、さらに研究を進めている。
|