研究課題/領域番号 |
60480412
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
恵比須 繁之 阪大, 歯学部, 助教授 (50116000)
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研究分担者 |
木村 重信 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10177917)
福原 弘喜 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20144503)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1986年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1985年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | Eikenella corrodens / 細菌レクチン / モノクロナール抗体 / 口腔内定着 / 定着阻害 / 菌体間凝集 |
研究概要 |
歯周病原細菌Eikenella corrodensは、菌体に存在するレクチン様物質(LS)を介して、標的細胞表面のN-アセチル-D-ガラクトサミン類似レセプターに結合する。本研究では、E・corrodens1073の細胞エンベロープから、Triton x-100抽出、アフィニティクロマトグラフィーおよびゲルクロマトグラフィーにより細菌レクチン様物質(LS)を赤血球凝集力価に換算して256倍に精製した。そして、E・corrodensのLSに対するモノクロナール抗体の作製方法を確立し、抗LS抗体(moAnti-LS)を産生する4種のハイブリドーマを得た。一方、E・corrodens1073と15菌種42菌株の口腔細菌との間の菌体間凝集の有無を調べた結果、5菌種8菌株の細菌細胞との間に菌体間凝集を生じた。この菌体間凝集を生じた組合せのうち、E・corrodens1073とA・viscosusT14VおよびATCC19246,S・sanguis ST160Rおよび34との間の菌体間凝集の機序をmoAnti-LSを利用して解析した。その結果、E・corrodens1073と4菌株間の凝集反応においては、E・corrodensのLSが決定的な役割を演じることが明らかとなった。また、moAnti-LSを用いた免疫電頭による観察結果から、LSはE・corrodens表層の莢膜様構造物あるいは細胞壁に存在することが示唆された。得られたmoAnti-LSは、E・corrodensによる赤血球凝集反応および異種菌体間凝集反応を完全に阻害した。これらの結果から、moAnti-LSを歯周疾患感染モデル動物に移入すれば、E・corrodensの口腔内への定着を阻止できるのではないかと推測される。 SPFラットの臼歯歯頸部に絹糸を結紮した後、E・corrodens1073を感染させ、絹糸結紮による歯周組織への物理的刺激とE・corrodensの歯周病原性との相乗効果を期待する感染動物モデルを作成し、本菌の歯周局所への定着と歯周組織破壊の程度との関係を検討した。その結果、LSの特異的阻害剤をラットに投与することにより、本菌の歯周局所への定着を阻害できるとともに、歯槽骨破壊の程度を減少できることが示唆された。
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