研究分担者 |
藤井 健男 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (30173389)
水上 裕太郎 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (50157484)
西尾 信之 東日本学園大学, 歯学部, 講師 (30137434)
飯野 守康 東日本学園大学, 歯学部, 講師 (40137427)
加藤 熈 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
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研究概要 |
Bruxismは、grinding,clenching,tappingに分類されるが、その本態は不明の点が多い。課題の成果を得るため以下の方法を用いた。1.習慣的にgrindingを行う者30名とgrindingを自覚しない者10名の夜間睡眠中の咀嚼筋活動,咬合接触状態を同時に,持続的に,Telemeter systemを用い、被検者の異和感が無く、自然な状態で記録した。2.さらに被検者は、意識的なgrinding,clenching,tappingその他の顎運動を行ない、その時の振幅,持続時間,筋活動や咬合接触の消長パターンおよび臨床症状(早期接触の部位,様相,咀嚼筋の圧痛,顎関節症状)などについて比較検討した。 この結果 1.Bruxism習癖者は、臨床症状の全てか、いくつかの症状が存在した。Bruxismを自覚しない者は、臨床症状が全く無いか、いくつか存在した。睡眠中のgrindingあるいはgrindingと同様の筋活動は、被検者すべてに観察され、その相対的大きさは、時に睡眠中のものが意識的に行ったgrindingよりも大であった。またgrinding中の筋活動の持続時間は、睡眠中のものが意識的な場合より長く、数倍以上であった。 2.grinding者と咬合接触様相は、同様の傾向を示し、grinding音が可聴できない場合も、筋活動と咬合接触様相は類似していた。 3.grinding中、一側の側頭筋前腹の活動に一致し、同側に下顎が偏位した。 4.臨床症状の無い正常咬合者も、夜間睡眠中、長い筋活動が観察され、grinding習癖者との間に、有位の差が認められなかった。 以上の結果、咬合接触は筋活動に伴って出現し、grindingは筋活動の質的違いによって若起され、その原因は咬合接触の異常(臨床的な早期接触)や咀嚼系の顎関節異常だけでなく、別な因子(延髄レベル)の存在が示唆された。この点更に研究の要があると考える。
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