研究課題/領域番号 |
60480423
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津留 宏道 広島大, 歯学部, 教授 (90034157)
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研究分担者 |
近藤 倫明 広島大学, 歯科補綴学, 助手 (20162109)
赤川 安正 広島大学, 歯科補綴学, 講師 (00127599)
長澤 亨 広島大学, 歯科補綴学, 助教授 (20034168)
重永 凱男 広島大学, 口腔解剖学, 教授 (90028770)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 骨内インプラント / 感覚受容 / 機械的刺激受容単位 / 電気生理学 / 微細解剖法 / 下歯槽神経 |
研究概要 |
雑種成犬21頭の下顎右側3切歯を抜歯し、3ケ月の治癒期間経過後、同部に単結晶サファイアインプラントを植立した。植立3,6,9,12ケ月経過後、インプラントに矩形波、ランプ波、正弦波の機械的刺激を加え、それにより発生した活動電位を、下顎第2小臼歯部で露出した下歯槽神経の単一神経線維より導出し、反応特性を検討した。対照として、正常天然歯を有する雑種成犬15頭についても同様の検討を行い、以下の知見を得た。 1.インプラント植立後6ケ月以上経過した実験群18頭より、インプラント周囲組織を支配する機械的刺激受容単位130を分離した。 2.矩形波刺激に対する反応は、天然歯歯根膜に認められるFA型およびIM型に相当する反応特性を示した。 3.矩形波刺激の刺激強度と刺激開始1秒間の累積インパルス数、およびランプ波刺激の偏位速度とインパルス発射頻度との間には、『べき』関数の法則が成立した(logY=a+blogX)。 4.正弦波刺激に対する応答では、6から10Hz前後にチューニングポイントをもつチューニングカーブを示すものと、それを示さないものが存在した。 5.インプラント植立6ケ月以後神経反応が得られ、植立期間経過とともに各刺激に対する値は有意に減少した(P<0.05)。 6.インプラント周囲組織を支配する機械的刺激受容単位の平均伝導速度は、天然歯歯根膜に比較して有意に減少した(P<0.01)。 本研究におけるインプラントの感覚受容の神経生理学的検索は、世界的に見ても全く新たなものである。今後さらに、インプラントの反射機構、中枢での情報処理機構等について詳細に解明してゆく計画である。
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