配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1985年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
1.口蓋裂乳児の吸啜を乳首圧迫圧の面から観察した結果をもとにして, 口腔内環境に適合し, 幼児の哺乳運動を促進し, これによる哺乳摂取量の確保を期待した新らしい口蓋裂乳児用乳首を考案した. この試作乳首の物理的特性について市販されている一般乳首と比較検討した. その結果, 口蓋裂乳児では乳首圧迫圧や正常児よりも著しく弱いこと, 試作乳首は弱い圧迫圧によっても充分対応し哺乳摂取量の確保が期待出来る特性を有していることが示された. 2.上記により検討されたり口蓋裂用乳首が哺乳障害改善に寄与するか否かについて臨床的効果の検討を行った. 被検対象は哺乳障害を訴えた完全唇顎口蓋裂乳児20症例であった. 初診時における哺乳障害の臨床的所見, 被験乳首使用前および使用後1週間目, 1ヶ月目, 2ヶ月目, 3ヶ月目の哺乳状態(哺乳量, 哺乳回数, 哺乳時間)ならびに体重増加の推移について観察した結果について検討した. その結果, 初診時にみられた哺乳障害は鼻腔粘膜での潰瘍形成, 移鼻腔胃管栄養法の併用, 長時間の哺乳, 乳汁を口腔内に注入する等であった. 初診時における平均哺乳量/日, 哺乳時間/日は被験乳首に切替えた一週間目で著しい哺乳量の増加を示し, 哺乳時間は短縮した. 3ヶ月目の哺乳量は正常児における標準哺乳量の範囲にあった. 体重増加の推移は各観察時期を通じて常に正常標準値に近似した値を示し, 3ヶ月目では平均で6kgを越えた値を示した.
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