配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1985年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
本研究は人工歯根, 顎骨再建材などの口腔外科手術に適応でき, より臨床要求を満足する骨適合性材料を得ることを目的として, Hydraxyapatite(HAP), Poly, trifluoraithyl methavylate(PTFEMA)Metalの複合化を計り, 本材の機械的, 生物学的諸性状と臨床応用への有効性を検討し以下の研究成果を得た. 1.HAP-PTFEMA-Metal三元系多相系材料は骨と極めて近似した機械的性質を有し, 骨と力学的に適合しうる材質であることを明らかにした. 2.細胞培養試験, ラット皮下埋入実験により, 本多相系材が細胞毒性, 組織為害性がみられないことを明らかにした. 3.成犬脛骨埋入実験の結果, 本材が生物学的にも高い骨親和性を有することを明らかにした. 4.滅菌条件と材料学的安定性について各種滅菌処理による影響を検討した結果, 処理後, 材質の変化, 物性の劣化は認められず, ガス滅菌後の残留ガス濃度もFDAの勧告基準以下であり, その安全性が確認された. 5.invitro水中浸漬及びinvitro成犬皮下長期埋入実験により材料の耐久性を検討した結果, 本材の耐水安定性, 生体内耐久性を明らかにした. 6.本材の人工歯根応用について人工歯根が具備すべき力学条件を明らかにするために, 有限要素法による力学解析を行った. その結果, 人工歯根構造としては, 骨結合型であること, そして内部に緩圧可動構造を有するものが合理的であることを明らかにした. 7.6の結果を満たした本多相系材による人工歯根を試作し, 成犬での嵌植実験を実施しその有用性を確認した. 8.人工顎応用として本材を用いた成犬下顎架橋補填を行い, 実験的に有用性を確認した. 9.人工顎臨床でCT撮影から人工顎設計製作に至るシステム化を確立した. 10.本多相系材による顎骨再建を実際に臨床応用し, 従来の方法に比べて優れた臨床成績を挙げた.
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