配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1987年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1986年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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研究概要 |
^<67>Gaの悪性腫瘍への取り込みは, 放射線治療あるいは抗癌剤の投与によって減少することが臨床的に知られている. しかし, その^<67>Gaの取り込みの減少の機序は, 現在のところまったく不明である. その解明のために, 動物腫瘍あるいは培養腫瘍細胞を用いて基礎的実験を行った. その結果, 1.放射線照射の影響:動物腫瘍では, 放射線治療後の組織像を光顕レベルで検討して, ^<67>Gaの腫瘍細胞への取り込みは, その組織像の変性の程度にほぼ関連して減少した. 2.抗癌剤の影響:培養細胞による抗癌剤のin vitroの実験では, 抗癌剤が腫瘍細胞のcell cycleに作用して^<67>Gaの取り込みが著しく影響されることが判明した. 3.臨床例の検討:臨床例の検討では, 放射線照射の線量や投与された抗癌剤の量によって^<67>Gaの腫瘍への取り込みが明らかに減少した. また, 抗癌剤によって^<67>Gaの体内分布も減少した. 4.細胞内ATPとの関係:腫瘍細胞の細胞活性と^<67>Gaの取り込みの関連性をATPの阻害剤によって検討した. その結果, ^<67>Gaの腫瘍細胞への取り込みは, その細胞のATP代謝と密接な関係があり, ATP代謝が抑制されると^<67>Gaの取り込みも明らかに減少した. 5.細胞骨格と^<67>Gaの取り込みの関係:腫瘍細胞の細胞骨格と^<67>Gaの取り込みの関係を検討し, ^<67>Gaの取り込みには, 腫瘍細胞の細胞骨格のマイクロフィラメント束が関係していることがわかった. 以上の結果から, ^<67>Gaの腫瘍細胞への取り込みは, その細胞のactivity(活性)を示唆していることがわかった. 今後は, 腫瘍細胞の活性とは何かを究明しなければならないと考えている.
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