研究課題/領域番号 |
60480452
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
松久保 隆 東京歯大, 歯学部, 助教授 (90112804)
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研究分担者 |
山本 秀樹 東京歯科大学, 口腔衛生学, 助手 (50191432)
真木 吉信 東京歯科大学, 口腔衛生学, 講師 (80125012)
北條 祥子 東北大学, 歯学部・口腔生化学, 助手 (90005033)
高江洲 義矩 東京歯科大学, 口腔衛生学, 教授 (60048303)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 食品 / 緩衝能 / 齲蝕誘発能 / 歯垢pH / IS-FET電極 |
研究概要 |
目的:食品の低齲蝕性化の方法のうち酸産生能を低下させることは重要な方法の一つである。これには、低・非齲蝕性甘味料および緩衝性物質の応用あるいは双方の併用がある。本研究の目的は、食品の低齲蝕性化に緩衝性物質の応用が有効かどうかを検討することである。 研究方法:本研究に用いた緩衝性物質は、5種でそのうちキトサン(LMCS)に注目した。In vitro酸産生能測定をS.mutans菌体浮遊液を用いたautoma-tic titration methodおよびpH-fallの実験系によって測定した。また、乳酸の定速注入による方法も用いた。In vivoでの歯垢pH低下阻止能はIS-FET sensor(トランジスタ-pH電極)(Type PH-6010)を用いて、成人男性5名を被験者として行った。 結論:(1)pH7.0付近からの発酵性糖質添加後の歯垢pH低下阻止は、pKa値が6.5前後にある緩衝性物質によって効果的に阻止される。 (2)LMCSは、pKaが6.4であり、S.mutans cell suspension中での発酵によるpH低下を阻止する能力が高かった。5%glucoseに0.01%LMCS添加でその効果が現われ、1%添加によってpH低下はほぼ完全に阻止された。 (3)LMCSは、ヒト歯垢のpH低下を阻止する能力が高かった。5%glucoseに1%のLMCSを添加することによって明らかな効果を発揮し、同量の5%添加ではエナメル質の臨界pHである5.5以下に低下させなかった。 (4)LMCSのヒト歯垢pHの低下阻止能は、分子量:3,000,脱アセチル化度:50%の試料が最も高かった。 これらの結果より、LMCSは、他の緩衝性物質と比較して呈味に与える影響もほとんどないことから、発酵性糖質を含む食品の低齲蝕性化に有用であることが示唆された。
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