研究課題/領域番号 |
60480458
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小山 次郎 北海道大学, 薬学部, 教授 (10025679)
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研究分担者 |
中村 亨 北海道大学, 薬学部, 助手 (30001978)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1985年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | マクロファージ / 多形核白血球 / NADPH酸化酵素 / 活性酸素 / セリンプロテアーゼ / 食作用 / NADPH-チトクロームC還元酵素 / Fcレセプター |
研究概要 |
マクロファージ(Mφ)と多形核白血球(PMN)の異種細胞障害反応の機構を分子レベルで明らかにする目的から研究を行ない、以下の結果を得た。 1.NADPH酸化酵素の生化学的性質と活性化機構ーーPMNのNADPH酸化酵素がフラビン酵素とチトクローム【b~_(245)】の2つの成分から構成された電子伝達系と考え、フラビン酵素の最も有力な候補としてモルモットとブタのPMN中にNADPH-チトクロームC還元酵素を見出し、高度に精製し、その性化学的性質を調べた。この酵素は肝臓のNADPH-チトクロームP-450還元酵素と良く似た酵素であり、リン脂質の存在下でチトクローム【b~_(245)】と反応させると、NADPHによるチトクローム【b~_(245)】の還元を触媒して【O_2】から【O(_2^~)】を生成させる。したがって、PMNが刺激を受けると細胞膜の構造が変化し、NADPH-チトクロームC還元酵素がチトクローム【b~_(245)】と共役できるようになって、NADPH酸化酵素の活性を示すようになり、【O_2】より【O(_2^~)】を産生して、殺菌作用を発現すると考えられる。 2.Mφの溶血因子ーーモルモットのMφの細胞膜画分にNADPHを反応させると、ヒツジ赤血球を溶血させる因子が生成する。この溶血因子の生化学的性質を調べ、NADPH酸化酵素によって生成された【O(_2^~)】が他の活性酸素分子種に変わって、Mφの細胞膜中のリン脂質を過酸化し、生じた過酸化脂質が赤血球に作用して溶血させることを明らかにした。 3.食細胞の機能発現に関与するプロテアーゼの性質ー-モルモットのPMNのFcレセプターにチモーゲン型のセリンプロテアーゼが結合して、Fcレセプターに抗原抗体結合物が結合すると、分子量が40,000のセリンプロテアーゼに活性化することを証明した。また、種々のプロテアーゼの合成基質を用いて、その作用から、このセリンプロテアーゼがキモトリプシン様の酵素であると推定した。この過程で、疎水性アミノ酸のエステルがMφの食細胞としての機能を阻害することも認めた。
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