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カルシウム依存性細胞機能に対するカドミウムの干渉とその生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 60480464
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関北里大学

研究代表者

井村 伸正  北里大, 薬学部, 教授 (70012606)

研究分担者 瀬子 義幸  北里大学, 薬学部, 助手 (60133360)
三浦 郷子  和光大学, 経済学部, 助教授 (70101293)
研究期間 (年度) 1985 – 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
キーワードカドミウム / カルモジュリン / cAMP-ホスホジェステラーゼ / 骨格筋小胞体ミオシンATPエース / ATP依存性Ca輸送 / Ca,Mg-ATPase
研究概要

カルシウム(Ca)細胞機能調節に対するカドミウム(Cd)の干渉作用の可能性を明らかにするためCaの細胞機能調節において重要な役割を担っている。calmodulin依存性、あるいはcalmodulin非依存性のCa依存性酵素に対するCdの影響および細胞内Ca濃度調節系に対するCdの作用について検討し以下の結果を得た。
1 豚脳よりcalmodulinを精製し、Ca-calmodulin依存性cAMP-phosphodiesterase(cAMP-PDE)の生理活性に対するCdの作用を検討した結果、(1)CdはCaの生理的濃度に相当する【10^(-6)】〜【10^(-5)】Mの範囲でCaに代って本酵素を活性化する。(2)このCdによる活性化はCdがcalmodulinに結合し、Caと同様の立体構造変化をひきおこすことによる。(3)CdによるcAMP-PDEの活性化は、他の金属イオン(Mn,Hg,Zn,Cr,Sr及びBa)より低濃度域で顕著に生ずる。
2 calmodulin非依存性のCa依存性myosinATPase及びactomyosinATPaseの酵素活性に対するCdの影響を検討した結果、CdはCaに代って両酵素活性を増大させ、一定濃度範囲では完全にCaと同程度の活性化効果を示した。
3 Ca輸送能力を有する筋小胞体を兎骨格筋より調製し、Ca輸送に対するCdの影響を検討した結果、(1)CdはCa-ATPaseによるATP依存性のCa輸送を3X【10^(-6)】M以上の濃度で抑制する(50%抑制濃度は約【10^(-5)】M).(2)【10^(-5)】M及び5×【10^(-5)】MのCd添加によりCaの輸送は拮抗的に抑制された。(3)Ca-ATPaseはcAMP-PDE及びmyosinATPaseの場合と同様、【10^(-6)】M〜5×【10^(-5)】MのCdにより活性化された。(3)Ca-ATPaseによるCaの輸送において必須のステップであるリン酸化酵素(EP)の生成は、【10^(-5)】MまでのCdにより影響されなかった。以上の結果より、CdはCa依存性酵素をCaに代って効率よく活性化する一方Ca-ATPaseによるCa輸送を顕著に抑制することが明らかになった。この様にCaの細胞機能調節において中心的な位置を占めるCa依存性生理活性に対するCdの干渉は、きわめて重大な生理的意義を有すると結論される。

報告書

(1件)
  • 1986 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] KYOKO,MIURA: EISEI KAGAKU. 31. 34 (1985)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KYOKO,MIURA: XIII INTERNATIONAL CONGRESS OF BIOCHEMISTRY. ABSTRACTS. TU-641 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 二村悦子: 生化学. 56. 1226 (1985)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KYOKO, MIURA: "AN APPROACH TO INVESTIGATING THE MODE OF TOXIC ACTION OF ENVIRONMENTAL POLLUTANTS BY USING CULTURED CELLS" EISEI KAGAKU. 31. 34 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KYOKO, MIURA: "CADMIUM SPECIFICALLY INTERFERES WITH CALCIUM CALMODULIN DEPENDENT ENZYME" <@x@i@i@i> INTERNATIONAL CONGRESS OF BIOCHEMISTRY. ABSTRACTS. TU-641 (1985)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] ETSUKO, NIMURA: "CADMIUM INTERFERES WITH <Ca^(2+)> -REGULATED CELLULAR FUNCTIONS" SEIKAGAKU. 56. 1226 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] ETSUKO, NIMURA: "ACTIVATION OF <Ca^(2+)> -SENSITIVE MYOSIN ATPase BY CADMIUM" SUBMITTED.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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