研究課題/領域番号 |
60480474
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
海老原 昭夫 大分医科大学, 医学部, 教授 (10048960)
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研究分担者 |
小池 勇一 大分医科大学, 医学部, 助手 (90109421)
藤村 昭夫 大分医科大学, 医学部, 助手 (90156901)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 高血圧症 / 時間薬理学 / 血圧日内リズム / atenolol / 24時間血圧測定 / 血圧日内変動 / β遮断薬 |
研究概要 |
血圧には日内変動が存在していることはよく知られている。今回我々は、血圧の分布が歪みをもつ場合にも解析が可能である正弦波回帰モデルのPNTモデルを用い、正常血圧者、高血圧症患者の血圧リズム構造、および降圧薬atenolol投与前後の血圧日内リズムの変化につき検討を加えた。対象は正常血圧者18名、高血圧症患者53名とした。このうち本態性高血圧症患者に対してはatenolol50mg1日1回投与前後でのリズムの変化について検討を加えた。血圧測定はICRーABPMモデル5200を用い15分間隔で24時間にわたり行なった。解析にはPNTモデルを用いて振幅の有意性、血圧のピーク時間につき検討した。 正常血圧者18名においては、17名で昼過ぎにピークを有する血圧日内リズムが検出されたが、高血圧症患者においては60%が正常血圧者と同様の昼過ぎにピークのあるリズムを有するグループ、20%が有意の日内リズムが検出されないグループ、10%が朝方にピークがあるリズムを有するグループ、そして残り10%が深夜にピークのあるリズムを有するグループの計4つのグループに大別された。高血圧症の羅病期間が長い群と短い群とを比較すると、羅病期間の長い群において正常血圧者の血圧日内リズムと異なるリズムが出現する頻度が高い傾向を認めた。降圧薬atenolol投与前後での検討では、投与前には7例全例で有意の日内リズムが検出されていたが、投与2ヵ月後には4例において日内リズムが検出されなくなった。この4例中2例に対してさらに投与4ヵ月後に測定を行なったところ、2例とも投与前と同様の血圧日内リズムを再び認めた。 以上の結果から、高血圧症患者には数種の血圧構造リズムが存在し、このリズムは高血圧症の羅病期間、薬剤の投与などにより変化する可能性が示唆された。
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