研究課題/領域番号 |
60480480
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
曽山 浩吉 京府医大, 医学部, 講師 (20079940)
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研究分担者 |
水谷 昭夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50079943)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 深部真菌症 / 深部カンジダ症の検査法 / カンジダ / D-アラビニトール / D-アラビニトールの酵素的定量法 / D-アラビニトール脱水素酵素 / 日和見感染 |
研究概要 |
深在性真菌症は日和見感染の性格が強く、悪性腫瘍や移植炎のような免疫能の低下している患者でしばしば見られ、近年その合併の増加傾向にある。原因真菌はカンジダによるものが最も多く、本課題では深在性カンジダ症の生前診断法に的を絞って研究を行った。深在性カンジダ症は長期にわたる好中球数の減少で合併の機会が多くなり、これに抗生物質不応性の発熱を伴うと、臨床的に本症を疑っている。血液培養では陰性の事が多く、カンジダ抗体、菌体抗原の検索も行われているが、その評価は定まっていない。本課題ではD-アラビニトールがカンジダの代謝産物である事がわかっている事から、実用性の高いD-アラビニトールの測定法を確立し、血清中D-アラビニトール値の評価を行った。 1.「D-アラビニトール測定法の確立」。EnterobacteraerogenesからD-アラビニトール脱水素酵素を調製し、これを用いてD-アラビニトールをD-キシルロースに変化させる時に共役するNADがNADHになる変化を更にレサズリンと共役させて生ずるレゾルフィンの螢光の増加速度がD-アラビニトール量に比例することを利用して測定する。 2.「血清D-アラビニトール値の評価」血清中D-アラビニトール濃度が上昇するのは、(1)深在性カンジダ症の時で、身体内部でカンジダが増殖している場合で、例えば抗真菌剤が有効に働いてその増殖が止むと、早い時期に濃度も下がる。(2)クレアチニン値が上昇するような腎不全のある場合、クレアチニンあたりで表わすと区別できる。(3)D-マンニトールが投与されたり、血中濃度が上昇した時。D-マンニトールは20%の割合でD-アラビニトールとして測定されるため。(4)キシリトールが投与された時。D-アラビニトールに代謝されるため。(5)単に消化器官内でカンジダが増殖した時。(2)以下は容易に(1)と区別できるので、D-アラビニトール値は深在性カンジダ症の早期診断法として役立つものと思われた。
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