研究課題/領域番号 |
60480498
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安楽 泰宏 東大, 理学部, 教授 (20012643)
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研究分担者 |
山登 一郎 東京大学, 理学部, 助手 (70111458)
大隅 良典 東京大学, 理学部, 講師 (30114416)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 酵母 / 液胞 / ATPase / プロトンポンプ / 輸送蛋白質 |
研究概要 |
近年、種々の高等植物や菌類の細胞質膜及び液胞膜に存在する起電性プロトンポンプの生理生化学的研究が急速に進展し、その生理的重要性が明らかになりつつある。本研究は酵母の液胞膜機能に関する従来の研究を基礎に、【H^+】-ATPaseと液胞膜輸送蛋白質の遺伝生化学的な解析によって、液胞の生理機能とエネルギー転換系を解明することを目的とした。本研究計画期間中に得られた主な成果は以下の通りである。 (1).液胞膜【H^+】-ATPaseの精製標品を用い、8-アジドATPによる光アフィニティーラベル法によって、aサブユニット(89K)が基質結合部位を有し、ATP・水解を担うサブユニットであることを示した。 (2).液胞膜【H^+】ATPaseの強力な阻害剤であるNBD-Clの阻害様式の詳細な解析により、aサブユニット内の1個のチロシン残基がATPの結合に関与していることが示された。 (3).非定常状態におけるATPの水解の速度論的な解析から、本ATPaseはATP結合中間体を持ち、ATP水解において触媒部位間に協同性があることを示す結果が得られた。 (4)液胞膜及び、精製【H^+】ATPaseに対する多数のモノクローナル抗体を作製することに成功した。これらをもとに、【Ca^(2+)】/【H^+】異方共役蛋白の同定および、【H^+】-ATPaseの各サブユニット、液胞膜の輸送蛋白の遺伝子のクローニングへの基盤が確立した。またそのための酵母遺伝子バンク作製等の準備が完了した。 (5).液胞膜を介する電気化学的ポテンシャル形成機序を解明する上で重要な液胞膜のイオン輸送系を解析し、新らたに【Cl^-】イオンの輸送系と、電位依存性の【K^+】-チャンネルの存在を明らかにした。 (6).液胞内アミノ酸プール形成に欠失をもつ変異株を分離し、その性質を解析し、遺伝子のクローニングを行った。
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