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葉緑体の遺伝情報システム-その自律性と核依存性-

研究課題

研究課題/領域番号 60480510
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 分子遺伝学・分子生理学
研究機関京都大学

研究代表者

小関 治男  京大, 理学部, 教授 (50028106)

研究分担者 井口 八郎  京都大学, 理学部, 助教授 (20028195)
研究期間 (年度) 1985 – 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
キーワードゼニゴケ葉緑体ゲノム / 全DNA構造の決定 / 葉緑体の遺伝子構成 / 葉緑体遺伝子地図 / コドン使用 / 自律性の限界 / 葉緑体の起源
研究概要

葉緑体は植物細胞に普遍的な光合成用のオルガネラであり、植物界に広く分布している。葉緑体にはそれぞれ独自のDNAゲノムがあり、その複製や遺伝子発現は全て葉緑体内で行われるが、一方また多くの構成蛋白質を宿主細胞核の遺伝子にも依存しており、それらは細胞質で合成されて葉緑体に導入される。本研究では、葉緑体遺伝情報システムを理解するための基礎として葉緑体DNAの全塩基配列を決定し、遺伝子構成の解明を目的とした。材料としてはゼニゴケ葉緑体を1つのモデル・システムとして選定し、121,024bpの葉緑体環状DNAの全塩基配列が決定される。そしてDNAデータバンクを利用したコンピュータ解析などから、約130個の遺伝子が検出され、遺伝子地図を完成した。このうちの約半数は、rRNA,tRNA,RNAポリメラーゼ,リボソーム蛋白質など、葉緑体内での遺伝子発現に関する基礎的遺伝子であった。これらの遺伝子は、対応する大腸菌遺伝子との相同性から同定されたものであり、遺伝子配列にも類似の点が多いことなどからも、葉緑体の遺伝系が原核生物由来のプロカリオート型であることが示唆された。使用されているコドン表は普遍的なものであり、葉緑体tRNA遺伝子による31種類のtRNAがその翻訳にあたっている。リボソーム蛋白質の遺伝子としては20個が検出され、残り約30種の蛋白質は核遺伝子に依存している。同様にして、光化学系や電子伝達系などの蛋白質複合体は、いずれも葉緑体遺伝子のみでは完成せず、葉緑体ゲノムの自律性の限界と核依存性の実体が明確となった。なお、各複合体のどのサブユットを葉緑体遺伝子が受け持つかは、高等植物の葉緑体についても同様であり、全ての植物の葉緑体が同一起源から進化してきたことを示している。そしてそのことはまた、本研究で解明されたゼニゴケ葉緑体ゲノムの構成と構造が、葉緑体一般に対するモデル系として有効なものであることを示している。

報告書

(1件)
  • 1986 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 大山莞爾ほか: Nature. 322. 572-574 (1986)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大山莞爾ほか: Plant Molecular Biology Reporter. 4. 148-175 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 福沢秀哉ほか: FEBS Letters. 198. 11-15 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小関治男ほか: Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.52. (1987)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大山莞爾(【I】),梅園和彦(【II】),福沢秀哉(【III】),河内孝之(【IV】)ほか: J.Mol.Biol.投稿準備中.

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 梅園和彦,小関治男: 細胞工学. 5. 115-126 (1986)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ohyama, K. et al.: "Chloroplast gene organization deduced from complete nucleotide sequence of liverwort Marchantia polymorpha chloroplast DNA." Nature. 322. 572-574 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ohyama, K. et al.: "Complete nucleotide sequence of liverwort Marchantia polymorpha chloroplast DNA." Plant Molecular Biology Reporter. 4. 148-175 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Fukuzawa, H. et al.: "Coding sequences for chloroplast ribosomal protein S12 from the liverwort, Marchantia polymorpha, are separated far apart on the different DNA strands." FEBS Letters. 198. 11-15 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ozeki, H. et al.: "Genetic system of chloroplasts-" Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol.52. (1987)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K. Ohyama et al.( <I> ); K.Umesono et al.( <II> ); H.Fukuzawa et al.( <III> ); T.Kohchi et al. ( <IV> ): "Structure and organization of Marchantia polymorpha chloroplast genome: <I> - <IV> ." J. Mol. Biol.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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