研究分担者 |
近藤 高貴 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (50116159)
奥埜 良信 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (80030394)
中山 匡 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (40030481)
向井 康比己 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (30110795)
長田 芳和 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (40030423)
PROFESSOR Osaka Kyoiku Associate professor, Osaka Kyoiku University
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研究概要 |
本研究の目的は, 小・中・高等学校の理科教育において, 単に学問的知識の反映にと留まらず, 「自然を身近なものと捉え」, 「人間と環境との関わり」を重視する立場から, 「小さな自然域(農場)がいかに利用できるか」について調査することであり, 下記はその主な具体的内容である. 1.小さな自然域の四季を通しての動植物相の変化:大阪教育大学の農場を対象として教官が調査するだけでなく, 学生にも現場経験を持たせ, 教員養成大学での農場利用の側面について一定の検討を行なった. 2."農場"もしくは類似の自然域でみられる動植物を用いて, 学校教育の場での遺伝・細胞・生長生理・形態・生態などの単元内容との関わりで,次の項目について精力的に研究が進められた. (1)コムギ・トウモロコシの細胞と遺伝的分野の教材化のための検討. (2)落葉の中での種子の発芽に関わる物質の検出とその意味について. (3)身近な植物をもちいた種子の発芽と気孔の形成. (4)タイリクパラタナゴの繁殖行動と仔魚の泳出を通してみた行動生態学的観点からの教材化. (5)ドブガイ幼生の魚への寄生を通した生物の種間関係についての教材化. (6)蝶と花との関係を知るため実際的な例の提供とその理解. (7)小水域におけるプランクトンの教材的利用. 3.教育系大学における"農場"の利用の原点・実際例の問題点:大阪教育大学附属養護学校(精神障害児を対象)で行なっている季節に応じた農作業を通しての身体機能向上と平衡感覚育成の実例について調べた. 一方, 近畿を中心とした教員養成大学・学部の農場関係者との意見交流を行い, 資料の一部とした. 4.文献調査として, (1)フランス・リセの生物教科書の特徴についてまとめ, (2)散逸しがちな生物関係を中心とした自然教育関係出版物の第1次的リストを作成した.
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