研究課題/領域番号 |
60480514
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 拓司 東北大学, 理学部, 教授 (60006426)
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研究分担者 |
山本 博章 東北大学, 理学部, 助手 (40174809)
石黒 誠一 東北大学, 医学部, 講師 (20111271)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マウス / チロシナーゼ / cDNA / 遺伝子発現 / クローニング / メラニン / アルビノ |
研究概要 |
この研究はマウスのメラニン生成酵素であるチロシナーゼのcDNAをクローニングし、それをアルビノマウスの胚の導入し、その発現を検出することを目的とした。昭和61年度においてマウスメラノサイトのmRNAに由来する、cDNAライブラリーから抗チロシナーゼ抗体およびアミノ酸配列に基づくオリゴヌクレオチドを用してチロシナーゼcDNAをスクリーニングしクローン化した。昭和62年度にその塩基配列を決定し、チロシナーゼcDNAに関する世界最初の正確な配列として公表したが、それに引続き各国から関連の研究成果が報告されている。 我々が最初にクローン化したチロシナーゼcDNA(Tyrsー33)は約1.8kbpの長さであり、約5.1kDaのタンパク質をコードするオープンリーデイングフレームを持つものであったが、培養細胞に導入してその発現を検討した結果、必ずしも形質転換率が高くないことが判明した。そこで、さらにクローン化の努力を続けたところ、Tyrsー33よりも約1.4kbp長いクローン(TyrsーJ)が分離され、約60kDaのタンパン質をコードするものであることが分かった。 一方、マウスのゲノム由来のライブラリーから上記のcDNAをプローブとしスクリーニングを行ったところ、4.8kbpのチロシナーゼの構造遺伝子の第1エクソンとその5′側上流を含む配列が得られ、その塩基配列を解析することによって、5′側にユニークの調節領域を含むことが分かった。この調節領域とTyrsーKを接続してアルビノマウス由来の培養色素細胞に導入し、非メラニン生成細胞を非メラニン生成細胞へ形質転換させることに成功した。従ってこの調節領域はプロモーター作用を持つものであり、TyrsーJも機能的なチロシナーゼタンパク質をコードしているものと判断される。なお、上記融合遺伝子をアルビノ胚の導入した結果、胚に黒化した組織が観察されているが、末だ完全な個体を得ていない。
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