研究課題/領域番号 |
60490006
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木幡 陽 東大, 医科学研究所, 教授 (30030852)
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研究分担者 |
遠藤 玉夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30168827)
天野 純子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (10159460)
竹内 二士夫 東京大学, 医学部, 助手 (70154979)
古川 清 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10190133)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 免疫グロブリンG / 糖蛋白質 / アスパラギン結合糖鎖 / ガラクトース転移酵素 |
研究概要 |
IgGに含まれる16種のアシアロ糖鎖を完全に分離する簡便な方法を考案した。これを用いて69例のリウマチ患者、数例ずつのSh【o!¨】gren,Osteoarthritis,Lupus erythematosisの各患者の血清から精製したIgGの糖鎖をヒドラジン分解で少糖として遊離し比較分析した。この結果、我々が注目している血清IgGの糖鎖パターンの変化は全ての慢性関節リウマチ患者で共通に起っていること、Osteoarthritisでは弱いながら同様の変化が起るが、リウマチ程顕著ではないこと、他の炎症性あるいは自己免疫疾患では一切変化が認められないこと、このパターン変化の分子的背景は糖鎖に含まれるガラクトース残基の著明な減少によるものであり、フコース残基やbisecting GlcNAC残基の比率に殆んど差が無いことが判明した。又この変化がリウマチ治療の薬剤投与によるものでないことも確認した。一方リウマチ家系(3家系)を調べた結果からは特記すべき傾向が見つかっていない。糖鎖の変化とリウマチの病理を結びつける目的で進めた研究からは以下に述べるような興味ある知見が得られた。すなわちIgGをStreptomycesのβ-ガラクトシダーゼで処理して全てのガラクトースを除くと、貧食細胞に対する走化性は認められなかったが、補体結合反応が明らかに低下した。又糖鎖の構造変化の酵素学的背景を探る研究からは以下のような知見が得られている。ヒトIgGをプロナーゼで消化して糖ペプチドを大量に調製し、これをStreptomycesのβ-ガラクトシダーゼで消化してアガラクト糖ペプチドを得た。これを基質に用い、健常人とリウマチ患者の末梢血から分離したB細胞のホモジネートを酵素源にしてガラクトース転移酵素の性質を調べたところ、リウマチ患者の場合UDP-Galに対するKm値がほぼ2倍となった。この違いはすでに数例ずつの検体で確認されて居り、今後更に酵素を精製して性質を比較検討する必要があるが、恐らくこの変化が糖鎖変化の土台であろう。
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