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仏像荘厳の思想とその様式展開

研究課題

研究課題/領域番号 60510035
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 美術史
研究機関京都国立博物館

研究代表者

井上 正  京博物館, その他, 研究員 (00000365)

研究期間 (年度) 1985 – 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード光明 / 蓮華 / 氣 / 宝珠 / 玉 / 宝相華文様 / 葡萄唐草文 / 神仙思想
研究概要

佛像荘厳の意義は、佛の神力の造型化ということに盡きる。光明・蓮華・氣の三要素に加えて、宝珠や玉が加わり、ペルシァ・インド・中国などの習俗や思想を強く反映させながら、成立し展開したものである。いずれもそれぞれの国土や民族の創世観や世界観と深くかかわりがあり、生命の誕生と世界の創造エネルギーが、佛の神力の具体的な表現として流用された結果である。
このように、諸民族の習俗・思想が習合しつつ展開していった荘厳美術は、当然その表現の上でも習合現象をみせる。とくに、パルメット系の唐草と雲氣との習合は、極東美術のみにみられる幻想的な文様の出現として、注目されてよいであろう。その後さらに、宝相華文様,牡丹花,葡萄唐草文などへの置き換えも加わって、変化に富んだ様相に発展することになった。
蓮華化生の思想とその表現は、古代インド・バールハットの欄楯装飾の中にはっきりと示されている。蓮華の花は動きつつあるものとして表わされ、さらに花のまわりに、ライオン・象などの聖獣や毒蛇,唐草などをめぐらせることにより、蓮華の創成の力を示そうとした。この形はわが国の美術の中にも伝えられている。中国起源の氣の思想と表現は、この蓮華の表現のなかに取り入れられ、両者の融合が実現するのである。
さらに、中国に始まった神仙思想もまた荘厳美術のなかにはっきりと影を落している。佛像は時に神仙に置き換えられたのである。京都,月輪寺の一木仏像の衣には、鶴と折枝の文様が表されている。一木彫の彩色に多い折枝文様は、おそらく仙界からもたらされた薬木,瑞草の数を指しているものと考えてよいであろう。

報告書

(1件)
  • 1986 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 井上正: 仏教美術研究上野記念財団報告書. 14. (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TADASHI INOUE: "Ornamentation to Buddha image ( Japan )" The UENO Memorial Foundation for the Study of Buddhist Art Report. 14. (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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