研究課題/領域番号 |
60510041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
諸冨 隆 岩手大, 教育学部, 教授 (60003951)
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研究分担者 |
昆 保典 専修大学北上保育専門学校, 講師
神 常雄 岩手大学, 教育学部, 講師 (30113856)
菅原 正和 岩手大学, 教育学部, 助教授 (70111234)
KON Yasunori Kitagami nursery school, University of Sensyu, Lectur.
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | パタン知覚情報処理 / パタン関連電位 / 輪郭 / 奥行き知覚 / 空間知覚の発達 |
研究概要 |
昭和61年度の研究課題は、昭和60年度の研究によって明らかにされたパタン関連電位成分即ち【C_1】、【C_2】、【C_3】の3成分がパタン知覚情報処理のどの側面とかかわっているか、とくにパタン知覚を可能にする輪郭(Contour)の処理と特異的にかかわる電位成分の同定と、パタン知覚と深い係りをもつ奥行き知覚(depth petception)にかかわる電位成分の析出を試みることであった。さらに本年度は、子どもにおける空間知覚の発達についても研究課題とした、主要な研究成果は、以下の通りである。 (1)【C_1】、【C_2】、【C_3】の3成分のうち、【C_1】成分は輪郭の影響を受ける程度が小さく、【C_2】成分に輪郭の影響はもっとも大きくあらわれる。即ち輪郭への順応の効果は【C_2】成分にもっとも大きい。また、パタン反転判戟(pateln reveraol stimulus)を用いて主観的輪郭(Subjective contour)を持続して出現させた場合、主観的輪郭の影響は【C_2】成分にあらわれず、【P_(300)】から【P_(400)】成分にその影響は大きくあらわれ、実際の輪郭と主観的輪郭の発現のメカニズムが異なっていることを示唆する。 (2)奥行き知覚成立にともなう視覚誘発電位(VEP)は、通常のパタンVEPと著しくその形態(morphology)を異にし、パタン判戟入力に反応するVEPと奥行き知覚成立とかかわるVEPとの合成であるように見える。即ち通常のVEPにみられる陽性-陰性-陽性(P-N-P)の3相の波形に続いて、潜時が300-400msecの大きな陰性電位が、さらに400-500msecにかけて陽性電位が出現するのである。この事実は奥行き知覚が視覚系における末梢レベル(網膜から視覚第一次授射野まで)で生起するのではなく、中枢レベルで左右の網膜像のズレを分析し合理的に統合する活動によって生起するのではないかということを示唆する。 (3)子どもにおける空間知覚は、3才以降著しく発達し、7〜8才でプラトーに達する。しかしその発達の過程で、5才から6才にかけて、一過的な退行現象が生じるという知見が明らかになった。
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