研究課題/領域番号 |
60510060
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
難波 精一郎 阪大, 教養部, 教授 (40029616)
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研究分担者 |
桑野 園子 大阪大学, 教養部, 助手 (00030015)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | spatial loudness summation / level-fluctuating sound / Leq / S / N / dichotic listening / diotic listening |
研究概要 |
現実の音が時間的にも空間的にも、変化するものであることを考える時、音の時空間的特性について検討することも大切であろう。本研究では様々な時間構造を持つ音を用い、空間的条件を変化させることにより、全体の音の大きさを規定する要因について検討した結果,下記のことが示唆された。 (1)第一次近似的にみれば、種々の方向から到来する音の全体の大きさは、個々の音のエネルギーを平均した値(Leq)に規定され、空間の影響はさほど大きくない。(2)空間中に特に目立った音(有意味音や移動音)が存在する場合、その音が図となり、他の音は地(背景)となり、図となる音の大きさはS/Nによって規定される。(3)Sとなる音とNとなる音の方向が異なる時、方向が同じ場合よりも、Sはより大きく判断される。(4)移動音源が固定音源より過大評価されるとは限らない。ただし、音が移動することによって、特に目立つ存在になる場合には、より大きく評価されることもある。(5)種々の音がモノラル的に提示される時、その提示方法の空間的方法(単一スピーカ,複数スピーカ,ヘッドホンなど)が異なっても、大きさはLeqによって規定され、提示方法の相違の効果はみられなかった。(6)エネルギー増分の時間的位置が規則的に異なる非定常音を用いて、聴覚の動特性を調べたところ、片耳提示条件においてみられた、刺激ON時のオーバーシュート現象が、増分と定常部分と左右別耳に提示した条件下ではみられなかった。このことは、両耳にほぼ同じ時間構造の音が到来した時にはオーバーシュートによって刺激の輪郭が明瞭になるが、両耳により強い音と弱い音が継時的に到来する時、オーバーシュートは生ぜず、むしろ両者の融合を助けているようにみえる。この解釈の妥当性については、さらに検討の要があろう。
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