研究課題/領域番号 |
60510066
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
濱田 治良 徳島大, 教育学部, 助教授 (80109404)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 受容野 / Machバンド / Cornsweet錯視 / Ehrenstein錯視 / パタン認知 |
研究概要 |
本研究では、主としてMachバンド・Cornsweet錯視・Ehrenstein錯視などの明るさの錯視現象の誘導機序に関して、さらにパタンの複雑さおよび良さ判断の認知過程に関して検討した。そして、これらの現象が拮抗的および非拮抗的な性質を持ち、パタンの方向に対する特異性を持つ受容野の概念で相互に関係づけられる可能性があることを考察した。まず第1に、Machパタン・Cornsweetパタンおよびステップ・パタンの見えの明るさが統制条件としての一様パタンに比較して暗いことを実験的に示した。そして、これら3種類のパタンに対して拮抗型の抑制と非拮抗型の抑制が誘導されることを示し、明るさおよび輪郭線知覚において拮抗型と非拮抗型の受容野が共通して関与していることを示した。第2に、Ehrenstein錯視が観察される時、同様に、そのパタン全体の見えの明るさが統制条件としての一様パタンに比較して全体的に暗いことを示し、Ehrenstein錯視が拮抗型の抑制に基づく対比効果の結果ではないことを示した。そして、Ehrenstein錯視が、拮抗型の興奮と抑制および非拮抗型の抑制が誘導された後に、興奮あるいは抑制が背景上で線分に対して直角の方向に拡散して起こる同化効果として成立していることを示した。さらに、この同化効果はCornsweet錯視の誘導機序として考えられるFilling-inと同様な効果であることを示した。第3に、明るさの錯視現象の基本的機序として考えられている受容野が、パタンの良さ判断や複雑さ判断などのより高次な認知判断に関与している可能性を示した。さらに、パタンの複雑さと良さの認知判断が、パタンの生成する客観的,数学的な対称変換群によって明確に規定されていることを示した。
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