研究課題/領域番号 |
60510117
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
水谷 徹 東京学芸大, 教育学部, 助教授 (70014694)
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研究分担者 |
東條 吉邦 国立特殊教育総合研究所, 分室, 研究員 (00132720)
根本 友己 東京学芸大学, 教育学部附属養護学校, 教諭
伊藤 英夫 東京学芸大学, 教育学部特殊教育研究施設, 助手 (90134775)
野村 東助 東京学芸大学, 教育学部特殊教育研究施設, 教授 (20014756)
NEMOTO Tomomi Tokyo Gakugei University
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 自閉症 / ラテラリライ / 言語認知 / 脳波スペクトル / α波減弱 / 左右差 / 言語学習指導 / 漢字 |
研究概要 |
1 言語の認知学習過程における脳波のスペクトル応答の検討: 健常児および自閉症児の言語認知・学習行動中に、脳波パワ・スペクトルのどの周波数成分が応答するか、脳の部位による差があるか、認知内容によって応答成分が異なるか、等について検討した。その結果、(1)認知行動時には【α_2】帯域に属する10〜11Hzの帯域成分が主な応答成分であること,(2)言語性および視空間性認知課題によって発動される大脳半球機能の選択的動員機構を、脳波パワ量の左右指数のスペクトルで検討したところ、同様に10〜11Hzの成分が最も有効であること,(3)これらの脳波応答は後頭部では乏しく、頭頂部で明瞭という部位差があること、等が明らかになった。 2 大脳半球機能の分化と統合の機構の検討: 中枢機能の局在機構診断の観点から、言語的教材(単語構成課題)および非言語的教材(模様構成課題)を用いた認知学習過程における脳波応答の左右差の継時的変動と、行動表出の空間的方向性について検討した。各課題の試行開始時にα波が減弱し、試行終了時に回復するという傾向が自閉症児でも健常児と同様に認められたが、α波減弱の左右差に関しては、課題差によるシフトの方向が一定でなく、また継時的変動にも一貫性がなかった。行動表出の空間的方向性では、自閉症児は健常児より左方優位の傾向が見出された。以上のことは、自閉症児の大脳半球機能の分化と統合の障害を示唆するが、自閉症児の言語情報処理が右半球優位とする従来の説を支持するものとは異なるデータを得た。 3 中枢機能の知見の言語学習指導への適用に関する検討: ことばのない自閉症児への視覚記号を用いた言語学習指導には、漢字を導入することが効果的な場合があることが明らかにされた。また、かな文字の導入は、自閉症児の語音の聴覚弁別を支援し、構音を定着させるひとつの手だてとなることが示された。
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