研究課題/領域番号 |
60510123
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
宮坂 義彦 三重大, 教育学部, 教授 (40012554)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 対立発問 / 選択肢 / 選言的判断 / 心理的葛藤 / 解釈・イメージの真理性の追求 / 教材の問題性と解決性 |
研究概要 |
1 研究の目的・方法 本研究は、対立発問の効果的な構造、適用条件、及び効果を明らかにする目的でおこなった。学校現場に出かけ授業記録及び教師・子どもの教材解釈・イメージの調査などの資料を収集し、分析した。主に文字教材とりわけ詩教材を用いた授業を研究対象とした。 2 研究成果【I】 対立発問が、文の理解過程で効果を発揮するのは次の場合であることが分かった。1)授業が、語・文の解釈・イメージの真実性の追求(吟味)を目的としている場合。2)教材が追求に価する性質即ち問題性と解決性を同時にもっている場合。3)問診発問によって引き出された子どもの解釈・イメージが、論理的に対立する選択肢(選言的判断)に分類され、それで対立発問が構成され、学級の全員が二つの選択肢のいずれかを支持している場合。 3 研究成果【II】 対立発問は、次のような内面的変化を引きおこす効果をもっていることが、資料の分析から分かった。1)子どもの解釈変化の過程における追求活動の動機は心理的葛藤である。この葛藤は対立発問によって、学級にひきおこされた討議過程で生じる。対立発問が提示され、論理的に矛盾する二つの選択肢を認知した子どもが討議過程で、自分の支持する選択肢の根拠が相対的に弱まったと感じた時、心理的葛藤が生じ、これが追求活動を促す。子どもは、根拠がより強いと感じる方の解釈・イメージに移行する。2)ある語・文の解釈の変化が、対応する部分のイメージ変化をひきおこし、これがイメージの部分間の関係に影響を及ぼし、これが契機となって、イメージ全体は構造的に変化する。これが子どもの内面におけるイメージ変化の内容である。
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