研究課題/領域番号 |
60510226
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
小池 正胤 東京学芸大, 教育学部, 教授 (00019316)
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研究分担者 |
有働 裕 東京学芸大学附属高等学校(大泉校舎), 教諭 (20213465)
加藤 康子 東京学芸大学附属高等学校(大泉校舎), 教諭 (60299005)
三好 修一郎 仁愛好短期大学, 国文科, 助教授 (40157699)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 赤本 / 黒本 / 青本 / 草双紙 / 江戸時代の子供の絵本 / 富川房信(吟雪) / 鳥居清満 / 鳥居清倍 |
研究概要 |
60年度に引き続き、頭書の題目によって、調査・分析作業を行ってきた。その内容の詳細については、別添の報告書を参照されたい。この報告書は、60年度も作成しているので、研究助成の2年間に二種の報告書を作製し、全国の近世文学研究者が所属する研究機関に、60年度は100部、61年度は80部を配布したことになる。また、海外の研究機関・図書館にも配送している。 この報告書に取り上げた作品は、研究協力者のものを含めて23種である。ただし、これは、その他の作品をそれぞれが相当数検討した上で選んだ一書であって、すでに当研究室には、赤本・黒本・青本の複写コピーが、200種以上整理、カード化されている。これらはすべて研究費補助金によったものである。 研究分坦者の小池正胤は、「沙門大黒舞」と『好色一代女』の関連、及び宝暦・明和期の時代的特色を調査した。三好修一郎は、「播州曽根松」について、近世における人磨伝説の虚構化とその意味を検討した。有働裕は、「ちくさい」について、『日本永代蔵』との影響関係を中心に論証した。加藤康子は「鶴の嫁入」で、江戸時代の擬人化された嫁入り絵本を調査し、本書の位置を評価した。研究協力者も報告書に記載のとおり、6名が6種の作品を担当し、いずれも、多様な黒本・青本の性格を明らかにした。 このように、従来ほとんど検討されなかった、赤本・黒本・青本は、それぞれ重要な意味を有することが明らかになった。すなわち、赤本・黒本・青本が先行作品群から極めて多くの影響をうけていること、また、それらを独特な方法で脚色して、それぞれ個性的な作品としていることなどである。さらに、近世中期における感覚,好尚,知的レベルなど微細に知ることができた。これらの研究成果は、従来知られていなかったものだけに、多くの便宣を提供し得るものである。
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