研究概要 |
本研究は, 昭和60年度から昭和62年度までの3年間の継続研究で, テストに関する文献研究を行う一方, (1)英語の文型・文法事項に関するテストと(2)語彙に関するテストを日本人大学生用に標準テストとして開発することを目的とした. (1)については, 池田重三ほか(編)『英文用例事典〈文法〉』および荒木一雄(編)『英文法用例辞典』をもとに, テスト項目となる文型・文法を抽出した. 当初, これらの事項についてそれぞれのテストを作成し実施して, その中から優れたテスト項目を選択し総合して信頼度の高いテストを作成する予定であった. しかし, 2年目から, 方針を変えて, これらの事項に関して, 部分和文英訳のテストを行い, その誤答を分析して, テストの選択肢の作成と選択を行うことにした. 最終年度に, 目標としていたForm G-1, Form G-2, Form G-3のひな型を作成し実施した. テストは, 空所補充の5肢選択であった. Form G-1は, 英語IICの教科書を基礎として作成したもので, 信頼度も高く妥当な問題が多かったように思う. Form G-2とForm G-3は, 被験者の数の問題もあるが, やや難しい問題が多く, 信頼度もさほど高くなかった. 被験者の数は, それぞれ, 186名, 87名, 98名と少なく, 標準化するための必要数(選択肢の数も考慮に入れて)700名を大きく下回ってしまった. (2)については, 語彙項目選択の基礎となる資料が2年以上かけて完成し, 『文部省検定済高等学校用英語教科書使用語彙(英語I・II・IIB)』(渓水社, 1987)の形で出版された. その中から基礎語と考えられる2,500〜3,000のあたりの語彙(分布度7, 8, 9の語彙)を中心にForm V-1, Form V-2, Form V-3を作成・実施した. 被験者は, 181名, 185名, 147名と, やや少ないが, これ以上頻繁にテストを実施することは不可能と認めざるを得なかった. 今後は, このテストの質的向上を図りたい.
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