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一般予防論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 60520030
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 刑事法学
研究機関熊本大学

研究代表者

田中 久智  熊本大学, 法学部, 教授 (90039959)

研究期間 (年度) 1985 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード一般予防論 / 心理強制説(威嚇予防) / 積極的一般予防論 / 一般抑止 / 刑罰の厳格性・確実性・迅速性 / 一般抑止の知覚的研究 / 応報刑論 / 特別予防論 / 刑罰の目的と意味 / 刑罰の犯罪抑止力 / 刑罰の厳格性 / 刑罰の確実性 / 刑罰の規範ならびに社会安定化機能 / 社会統制
研究概要

一般予防論の最近の動向の一つとして, まず, 西ドイツの積極的一般予防論について考察検討した. ヤコブスによれば, 刑罰の任務は, 社会的接触のための方向付けモデルとしての規範の維持で, 刑罰は, 規範信頼法への忠誠帰結甘受の訓練で, 規範認知の訓練と要約される. ルーマンの社会システム理論に依拠するもので, 刑法システムの主たる機能は, 違背された規範的予期を坑事実的に固持し, 規範違反者の負担において, 法への信頼を強固たるものにし, 全システムを安定させる点にある. ハッセマーの理論は, 行為応報の限定的構想を深く内在させる点に特色がある. 積極的一般予防論の長所は社会統制の全構想の中によく組み込まれ得ること, 法益保護を, 法律を正当として是認する市民の確信によって達成しょうとする点である. しかしながら, この理論は, 規範的立場の強い理論て, 規範的予期が重視・強調され刑法の適用範囲が拡張される傾向にあることが批判される. ルーマンでは, 世界は複雑性として観念され, 社会=歴史の存在構造を捨象し, その実体を喪失している. 他者の規範意識を強化するために, 威嚇予防同様, 犯罪者は社会あるいは個人の利益をもたらす道具とされる傾向がある. ヤコブスが行為無価値論をとる点も批判. ハッセマーの行為応報も疑問. 犯罪行為は過去に実結したものではなく, 将来の変化として達成され得るものと結びつくこと, 行為と刑罰とは, どうひねってみても, 比較し得る量(もの)ではないことによる. なお, 英米・北欧等の一般抑止の三要件について. 刑罰の厳格性と確実性との関係について, 厳格性は独立では犯罪の抑止効果はなく, 確実性を前提としてのみはじめて効果を生ずることを指摘する. 抑止研究が無視してきた刑罰の迅速性についても研究. つい最近ウイリアムズとホーキンズが従来の一般抑止の知覚的研究の内容に投じた疑問を手がかりとして, 一般抑止の知覚的研究の問題についても論じた.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] 田中久智: 熊本法学. 49. 285-325 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中久智: 熊本法学. 52. 73-95 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中久智: 熊本法学. 53. 93-112 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中久智,田中りつ子: 名城法学37巻別冊・西山富夫教授還暦記念論文集. 115-236 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中久智: 熊本法学.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka: "Ernst amadeus Wolff's General Prevention Theory ( 1 )" Kumamoto Law Revies ( Kumamoto - Hogaku ). No. 49. 285-325 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka: "Ernst Amadeus Wolff s General Prevention Theory ( 2 )" Kumamoto Law Review ( Kumamoto - Hogaku ). No. 52. 73-95 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka: "Ernst Amadeus Wolff s General Prevention theory ( 3 )" Kumamoto Law Revies ( Kumamoto - Hogaku ). No. 53. 93-112 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka Ritsuko Tanaka: "A Study on Positive General Prevention Theories." Meijo Hogaku. 37 Separate Vol.115-236 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka Ritsuko Tanaka: "Perceptual Research on General Deterrence."

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka: "Ernst Amadeus Wolff's General Prevention Theory ( 4 )" Kumamoto Law Review (Kumamoto - Hogaku) (Kumamoto Law Review.).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisatomo Tanaka: "A Time Series Study on Deterrent Effect before and after the Reform of Road Traffic Regulation, April 1987."

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中久智: 熊本法学. 49号. 285-325 (1986)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書
  • [文献書誌] 田中久智: 熊本法学. 52号. (1987)

    • 関連する報告書
      1986 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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