研究課題/領域番号 |
60530045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
山崎 隆三 名城大, 商学部, 教授 (90046681)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 江戸時代 / 明治初年 / 農産物 / 工産物 / 鉱産物 / 物価変動 / 物価時系列 |
研究概要 |
本研究の目的は、江戸期ならびに明治前期の諸物価の史料を蒐集して長期的時系列を作成し、それによって物価変動を分析し、その面からその時期の経済発展構造にアプローチすることにある。この目的を達成するために、米・綿などの主要農産物のみでなく、その他の農産物・工産物・塩・鉄・などの生活必需品および労賃についても、史料蒐集の対象とした。調査対象地域は従来の物価史研究で知られていない地域として、群馬・栃木・茨城・埼玉・東京・新潟・山梨・鳥取・島根・福岡の10都県をえらんだ。調査方法は、この各県内の文書館・史料館・図書館・県市史編さん室等に所蔵・保管されている古文書・文献に含まれている物価史料を抽出した。この調査結果は、価格が判明する諸物産名とその年次を、史料名とともにリスト・アップした報告書『近世・明治初期物価史料所在目録(I)』として公表した。今後このような形式で、既知の、および今後発掘される新しい史料を整理し、それらをコンピューターによるデータバンク化することができるならば、物価史料の整備と物価史研究は飛躍的に発展することが期待される。 またこの研究においては、江戸期の最も重要な物産の一つでありながら、従来比較的不備であった蚕糸業関係品の物価変動の解明に一つの重点をおいたが、そのうち群馬県関係については、研究論文「近世後期のまゆ・生糸の価格変動-上州を中心として-」(『名城商学』36巻4号、昭和62年3月)において、分析結果を発表した。そこでの重要な知見の一つは、まゆ・生糸の価格は、天明期から化政期まで20〜30%の低落をみたあと、天保期以降は一転して上昇傾向を示したことである。
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