研究概要 |
昭和60年はダイレクト・リスポンス広告の文献調査が主体であったが、これにこの分野の関係者の意見きき取り活動の成果を加え、消費者(主婦)対象の調査計画を策定した。東京都23区内居住20-59歳までの主婦250名(50地点)を対象にし、原化二段無作為抽出法により1987年2月ダイレクト・リスポンス広告調査を行った。主婦のイン・ホーム・ショピング意識は強く、信頼できるダイレクト・マーケターであれば不安はない(加重平均値0.76)、通販用カタログは現在の生活に役立つ0.45、通販はここ2〜3年ますます利用されるようになろう0.66というように、この分野には明るさを示している。しかしこれを取締る法律がないの面では0.42で、ダイレクト・リスポンス広告の規制については知識が低いことがわかる。 都会主婦の通販利用経験度はある63.4%、ない36.6%で、経験者の購入主要商品は寝具24.4%,衣料品31.4%,衣料品23.3%,台所用品・調理器具18.6%,電気製品16.3%,室内装飾品19.8%であるし、利用度の高いイン・ホーム・ショピングの種類はデパート・専門業者のカタログ・ショピング,テレビ・ショピング,新聞紙上ショピング,雑誌紙上ショピングなど。なお通販の利用希望は利用寄り65%,拒否寄り34.7%。全体的にはイン・ホーム・ショピングの一層の発展が予想できる。しかし消費者苦情増大の可能性もある。利用者の苦情発生率は21.5%。その苦情内容は報告書P.22通り。消費者保護のためには消費者の通販に対する理解・対応の知識ならびに技法を高めるよう啓蒙することが大切。彼らのダイレクト・マーケティング関係法規と自主規制の知識は予想をかなり下回り低い。以上の諸事項を踏え、彼らの利益擁護の視点からダイレクト・リスポンス広告についての今日的提言を行った(報告書のP.54-58)。広告主,媒体社,広告会社,消費者及びその利益擁護関係機関,行政機関のそれぞれの対応がいっそう必要となる。
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