研究概要 |
「財閥系企業の所有と利益処分-財閥系企業の財務特性研究の一素材として、1929年の場合-」(『大阪大学経済学』第35巻第1号、1986年3月)・「財閥系企業の所有と利益処分-財閥系企業の財務特性研究の一素材として、1940年の場合-」(『大阪大学経済学』第35巻第1号,1986年3月)・「1940年における我が国主要企業資産上位568社の財務数値一覧-非金融企業を中心として-」(『同志社商学』第38巻2号,1986年9月(日)および「1929年における我が国主要企業資産上位453位の財務数値一覧-非金融企業を中心として-」(『同志社商学』第38巻3号,1986年10月30日)の四編の成果を発表し、上記の研究課題の達成に努力した。 前記二論文においては、財閥系企業の所有(最大株主への所有集中度)と利益処分の特徴を、非財閥系大企業との比較において明らかにした。分析の結果、財閥系企業の所有集中度の高低は利益処分と有意な関係にあり、非財閥系大企業のそれは収益性の高低と有意な関係にあったことが判明した。 後記二成果は、上記の研究課題を達成するための基礎的性格を有するものであり、これらを利用することにより、サンプル企業を財閥系企業と非財閥系企業に分類し、それにもとづいて財閥系企業の所有集中度の特徴を析出することができる。またそれら所有集中度と他の財務項目数値との関係をみることにより、財閥系企業の所有そのものの特性を究明することも可能である。 したがって、今期の研究成果としては、具体的課題の分析とそのための基礎データの作成・整理であると要約できる。
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