研究課題/領域番号 |
60540038
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学・幾何学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤木 明 京大, 教養部, 助教授 (80027383)
|
研究分担者 |
加藤 信一 京都大学, 教養部, 助教授 (90114438)
斉藤 裕 京都大学, 教養部, 助教授 (20025464)
秋葉 知温 京都大学, 教養部, 教授 (60027670)
武内 章 京都大学, 教養部, 教授 (40026761)
藤家 龍雄 京都大学, 教養部, 教授 (10026734)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | エルミート対称空間 / 数論的部分群 / モジュライ空間 / 複素トーラス |
研究概要 |
我々の研究対象であるリーマン対称空間、特にその典型的な場合である擬エルミート対称空間の、数論的部分群による商空間は、周期写像をとおして種々の偏極コムパクトケーラー多様体のモジュライ空間として実現され、後者を通じてその構造が明確になる、という性質をもつ、本研究では主にこの観点から次のような結果を得た。 1.(1)一般の複素トーラスについて、その自己準同形環の可能なタイプを分類し、ついでこれに対応する擬エルミート空間の構造を明らかにした。(2)商空間の特異点の状況を反映するものとして、各複素トーラスに対しその有限自己同型群を2次元の場合に完全に分類した。特にあたえられた有限群を自己同型群にもつ2次元トーラスのモジュライ空間を、(擬)エルミート空間の数論的部分群による商空間として明示的に与えた。(3)(2)の空間がある種のルート系と密接な関連を有することを見出した。 2.(1)シンプレクティックK【a!¨】hler多様体に対する一般的構造定理として、その2次元コホモロジー群の上のn形式が実はある非退化2次形式のべきであることを証明した。(nは多様体の2次元)(2)この応用としてこのような多様体の局所モジュライ空間は非特異であり、したがってそのモジュライ空間は【IV】型エルミート対称空間の開架合でパラメトライズされることを示した。 3.一般に、Calaliによる極値的ケーラー計量の概念を用いて、一般のケーラー多様体に対し、代数幾可学における安定性の概念のアナロジーを導入し、これによりモジュライ理論のまったく新しい定式化を得た。特に偏極を固定した。極値的ケーラー計量のモジュライ空間が自然なケーラー空間の構造をもつことを示した。この理論の詳細は未完であり、今後この方向に研究を発展させたい。
|